エスクァイア生産終了公表!! 進むトヨタの販売再編と競争激化!!

エスクァイア生産終了公表!! 進むトヨタの販売再編と競争激化!!

 5ナンバーミニバンとして人気を博した「エスクァイア」の生産が終了する。トヨタの公式サイトにて、「21年12月上旬をもって生産終了いたします。詳細はお近くの販売店にお問い合わせください。」という一文が掲示された(2021年9月19日確認)。エスクァイアの2021年1~8月累計販売台数は8983台。平均月販台数は1122.8台で、それなりにヒット車のまま生産終了となる。今回のエスクァイア終了情報と、トヨタの販売計画の行方を整理してお伝えしたい。

文/ベストカーWeb編集部
写真/TOYOTA

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■「大人のミニバン」、約7年で生産終了

 かねてから車種整理の対象になるといわれていたエスクァイアだが、このたびトヨタから今年(2021年)12月上旬で生産終了となることが正式に公表された。ノア/ヴォクシー/エスクァイア三兄弟は5ナンバーミニバンとしてこのジャンルを牽引するモデル。現行型登場から約7年となり、次期型の動向が注視されていた。ノア/ヴォクシー/エスクァイアの新型へのフルモデルチェンジは2022年春頃が有力とされていたが、エスクァイアについては、その約半年前のモデル終了発表ということになる。

トヨタ公式サイトにて公開。(突然中止されるとユーザーへの影響が大きいことがあるため)トヨタは比較的、こうした生産終了情報を公開していくメーカーだが(完全に終了するまで公表しないメーカーもある)、それでも終了3か月前の公表は珍しい
トヨタ公式サイトにて公開。(突然中止されるとユーザーへの影響が大きいことがあるため)トヨタは比較的、こうした生産終了情報を公開していくメーカーだが(完全に終了するまで公表しないメーカーもある)、それでも終了3か月前の公表は珍しい

 エスクァイアは2014年10月、現行型ノア/ヴォクシーの兄弟車として(トヨタ店、トヨペット店の専売車として)発売された。デビュー当初の月販目標台数は4000台。

 比較的購買年齢層が高いトヨタ店、トヨペット店の専売車種として(ノア/ヴォクシーと比べて)「上質感」を前面に押し出し、ドアハンドルやバックドアにメッキ加飾、内装もインストルメントパネルからドアトリムにかけて合成皮革をあしらい、金属調加飾やステッチを採用するなど、豪華で大人なミニバンとしての演出が施された。

ノアやヴォクシーに比べると、高級感を前面に打ち出したエスクァイア
ノアやヴォクシーに比べると、高級感を前面に打ち出したエスクァイア

 順調な販売が続いていたが、トヨタは2020年5月から全国で(東京では先行して2019年4月から)チャンネル別販売制度を撤廃。これまでトヨタ店、トヨペット店、カローラ店、ネッツ店とそれぞれ主要購買層に合わせた専用販売車種を持っていたが、この時点からどのトヨタディーラーでもすべてのトヨタ車が購入可能となった。

 この改革により、それまでネッツ店でしか買えなかったヴォクシー、カローラ店でしか買えなかったノアが、トヨタ店でもトヨペット店でも購入可能となった(もちろんネッツ店でもカローラ店でもエスクァイアが購入可能となった)。

 これを契機にエスクァイアの販売は低下。それでも月販2000~3000台程度売れていたが、近年は1000台程度で落ち着いている。トヨタ以外の他メーカーであれば販売の中心的存在といえる販売台数ではあるが、トヨタにしてみればこのくらいの台数でも整理対象になるということのようだ。

エスクァイアの内装。合成皮革やステッチなど、高級志向の内装に仕立てられていた
エスクァイアの内装。合成皮革やステッチなど、高級志向の内装に仕立てられていた

 販売チャンネル制度が廃止となり、売れるクルマと売れないクルマの差が大きくなるなか、トヨタは長年続いていた「兄弟車種(いわゆる「バッジ違い同一車種」)」を徐々に廃止。2020年9月にはルーミーの兄弟車であるタンクが生産終了し、2021年にはプレミオとアリオンが両車種とも生産終了。今年から来年にかけてノア/ヴォクシー/エスクァイアも整理されると、あとはアルファード/ヴェルファイアが残ることになるが、こちらも2022年にはどちらから整理されるという情報が届いている。

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