エルグランドがかなり厳しい。新型の声も聞こえてはくるが、ライバルのアルファード/ヴェルファイアのとてつもなく高い壁に挑む状態は変わらないだろう。かつては「キング・オブ・ミニバン」だったのに、いったいエルグランドはどうすればいいのだろうか?
文:ベストカーWeb編集部/写真:日産自動車
■北米モデルとの共用化で失った個性
現行エルグランドの登場は2010年。2014年にビッグマイナーを実施してフロント周りのスタイルを変えたものの、3列目シートが単なる折り畳み式でフロア面が高いこと、内装が大味なことなどライバルのアルファード/ヴェルファイアに対しては不利な要素が多かった。
原因としてはアルファード/ヴェルファイアはほぼ国内専用車という位置づけであり、収納や内装のデザインなどは日本市場を研究していたのは明らかだった。
いっぽうのエルグランドは北米のクエストと部品共用化を進めたモデルでもあり、インパネなどを含めてそのまんまという印象を受ける。北米テイストのさっぱりしたデザインではあるが、日本市場としては厳しい評価を受けた形だ。
■FRを捨ててFFにしたものの……
エルグランドは現行型でそれまでのFR(後輪駆動)からFF(前輪駆動)へとスイッチした。その走り自体の評価は決して低いものではないが、FFへの変更が日産ファンとしては「なんか違うな」という印象になってしまったのかもしれない。
さらにFFにすることで目に見える変化、例えば広くなった室内空間などのメリットが伝わりにくかったこともあり、エルグランドの進化はポジティブに受け入れられないケースが多かった。
さらにライバルである二代目アルファード/ヴェルファイアがマイナーチェンジ(2011年)でハイブリッドを搭載したことも大きかった。これは初代アルファードに搭載されていたハイブリッドを復活させた形になったが、ユーザーの声に応えて経済性や静粛性を押し出した。
いっぽうのエルグランドはV6 3.5Lエンジンのパワフルさを主軸に置いた運動性能を打ち出していた。2017年頃のテレビコマーシャルでもワインディングをスポーツカーやバイクを従えて走るシーンで走行性能を訴求していたが、日産にとってはこれがエルグランドの押しだった。
もちろん個性を追求してライバルとの差別化を図るのは当然なことだが、スポーツカーではないミニバンの購入層にとっては、低重心のスポーツサスペンションと、2.5Lか3.5Lのガソリンエンジンしか選べない状況は好ましくはなかった。
コメント
コメントの使い方昔はこのクラスはディーゼルだった。
ハイブリッドよりディーゼルの相性がいい。
三菱からディーゼルをかりて搭載すれば、デリカd5くらい売れると思う。
アルファードの2.5CVTは車格から合ってない。
ディーゼル8ATでだすと、昔のエルグランドのお客さんも戻ると思う。