昨年(2023年)末に認証検査不正問題が明らかになったダイハツ工業が、2024年1月24日、現時点での(お客さま、サプライヤーを含む)ステークホルダーへの対応について、記者の質問に答えた。以下、内容を整理してお届けします。
文/ベストカーWeb編集部、写真/ダイハツ工業、ベストカー編集部
【画像ギャラリー】ダイハツ不正問題と「認証取消」となったグランマックス画像(16枚)画像ギャラリー■「ダイハツ車が買えないから、ほかで買おう」というような単純な話は、ない
ダイハツ工業は1月23日、現在生産を停止している国内4工場におけるダイハツ全車種について「2月16日まで稼働停止を継続する」と発表した(ダイハツの工場で生産しているトヨタプロボックス・マツダファミリアバンについては別途検討中)。2月17日以降の稼働についても、「現時点では再開のメドは立っていない」とのこと。
また今回の認証不正とともに発覚したキャスト/ピクシスジョイのドアロック問題に関しては、24日に国交省へリコールを届け出た。2015年8月発売の初期型から2023年6月の生産終了直前の最終型まで、キャスト/ピクシスジョイすべての既納車両がリコール対象となり、約32万台にのぼる。
この不具合は、運転者席側の側面衝突時にパワードアロックが作動することがあり、乗員の救出に時間を要するおそれがあるとのこと。ダイハツによると、対策部品の供給にやや時間を要するが、順次提供し交換してゆくそう。希望するユーザーには(ドアロック操作にキーが使用できずリモコン操作のみに制限されるが)衝突時に施錠されない暫定措置を行い、部品の準備が整い次第、改めて案内し対策品に交換するなどの措置を実施するとのこと。
それ以外の車種については、ダイハツ車の保有台数国内約1000万台に対して、現在販売店を通じて各ユーザー(ダイハツ車オーナー)にコンタクトをとるべく動いているそう。
それぞれの車両がどういう状況かを説明する素材を用意しており、連絡のとれたユーザーに順次接触し、説明しているとのこと(総数や割合をカウントしているわけではないが、昨年内で、ほぼすべてのお客さまに一次連絡はとれているとのこと)。
問い合わせ窓口も増員し(下記)、受電率を上げるなどの措置をとっている。
【参考】認証申請における不正行為に関する問合せ(専用ダイヤル)
フリーコール 0120-055-789 受付時間:9:00~21:00 年中無休
なおダイハツは2024年1月1日に発生した能登半島震災で、トヨタグループとして約10名ほどのスタッフを現地へ派遣。被災した販売店等への支援を行っているとのことだった。
不正発覚から約1カ月。ダイハツは全車種の生産や販売を停止している。現在、日本国内市場では約7万台(ダイハツのざっくりとした月間販売台数見込み)の新車供給が消失しており、日本経済へのマイナス影響も大きい。ホンダやスズキの販売店や関係者に聞くところによると、ダイハツからの代替需要と呼べるほどの販売増はないとのことだった。
当たり前の話だが、「ダイハツ車が買えないから、ほかで買おう」というような単純な話は、ない。待っている人は大勢いるし、がっかりしている人はもっとたくさんいる。
現在ダイハツは「サプライヤーの皆さまへも多大なるご迷惑をおかけしておりますが、生産再開には、国交省からの許可だけではなく、まずはお客様からの信頼回復が優先すると考えております。それが得られるまでは、工場の再稼働(と新車販売の再開)はできないと考えております」とのことだった。
失われた信頼の回復には時間と誠意ある対応が必要となる。ごっそり消えた需要と供給を少しずつでも取り戻すべく、再発防止策の策定に真摯に取り組んで、また再び、安くて楽しいダイハツ車を作って売ってほしい。
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