ポルシェやランボも作れそう……「あたり」固体しか生まない設備も人材も日本最高峰!!! GRファクトリーが凄すぎる

■「あたり」しか作らないのがGRファクトリーの凄さ!

選定された部品を熟練工が最もいい位置に取りつけられるように位置合わせし、組み付けられていく
選定された部品を熟練工が最もいい位置に取りつけられるように位置合わせし、組み付けられていく

 さらに驚くのが生産時と完成車両の精度管理だった。クルマというのは1台ごとに誤差がある。ボディのサスペンションの取り付け位置すらミリ単位で違う。普通のクルマなら1ミリ違うくらいだとまったく問題ない。

 されどサーキットなどに持ち込み限界を引き出すと、精度でクルマの乗り味にバラ付きが出てしまう。それを今までは「あたり」とか「はずれ」と言ってきた。GRファクトリーのラインでは「あたり」しか作らない。

リフトアップし1Gがかけられた状態のボディを下していく形で、適合された足回り部品を搭載していく
リフトアップし1Gがかけられた状態のボディを下していく形で、適合された足回り部品を搭載していく

 さまざまな工程で精度チェック。取り付ける部品も精度を合わせていく。さらに足回り部品は1Gをかけた状態で締めるとか、アライメントは競技車両レベルで合わせていく。その上で全数を走行テストしているのだった。

 普通のクルマを買ってボディ剛性を高めるためにスポット溶接の増し打ちや精度管理まで行えばスンゴク高いクルマになる。そう考えると「GRファクトリー式生産」はいいクルマをリーズナブルに作れる最適な方法かもしれません。

方向転換の際、ブッシュに力が加わり、ステアリングの精度を狂わせないようにターンテーブルが使われる
方向転換の際、ブッシュに力が加わり、ステアリングの精度を狂わせないようにターンテーブルが使われる

■そもそもGRファクトリーとは?

アライメント調整は一般のクルマに比べ、約2倍の工程がかけけられている
アライメント調整は一般のクルマに比べ、約2倍の工程がかけけられている

 愛知県豊田市の元町工場にあるGRヤリスとGRカローラの専用生産施設。「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」を実現するために、高精度なモデルを少量生産するというこれまでのトヨタにはない考え方が導入されている。

 ロボットに加え、匠と呼ばれる高い技術を持つ職人さんたちの手作業を組み入れ、ばらつきの少ない、モータースポーツで勝てるクルマが誕生している。約400人が就業し1日の生産台数は60~70台。

GRヤリスもGRカローラも全数、元町工場のテストコースを試走する
GRヤリスもGRカローラも全数、元町工場のテストコースを試走する
【画像ギャラリー】「1工程10分」の超こだわりがすげー!! ミドシップスポーツも作れそうなファクトリーを見て(9枚)画像ギャラリー

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