■実はワイパーも進化していた!
その後のワイパーも進化もさまざまなものがあります。
まず、一般的なワイパーの原理を説明しましょう。一般的にワイパーはウインドウに付いた雨を拭き取っていると思われがちですが、じつはそうではないのです。
雨を拭き取るのではなく、均一に薄くのばして一定の厚さの水膜を作っています。そうすることで視界を確保しています。
しかし40年程度前からはウインドゥにはっ水加工をすることが流行り始めます。当初はアフターマーケットの世界だけでのことだったのですが、今ではメーカー純正ではっ水をするようにもなってきています。
はっ水加工をしたウインドゥは水を均一に伸ばすのではなく、水をはじいて視界を確保します。はっ水加工は永久的に持続しないので、ときどき加工し直す必要があります。その作業をワイパーに任せる方法もあり、ワイパーとして作動させながらはっ水剤を塗るということをしているものも存在します。
また、ワイパーそのものではなく、制御系も進化しています。
黎明期のワイパーは“ハイ”と“ロー”の2種類くらいしか調整できませんが、時間をあけて作動する“間けつワイパー”が登場。さらに最近は自動的に作動する“オート”も増えてきています。
オートワイパーも、当初はボンネット状に比較的大きめなセンサーが取り付けられていましたが、現在ではルームミラーの近くに光学センサーや振動センサーを取り付けることで感知して作動させているので、センサーも目立たなく鳴ってきています。
もちろんワイパー本体の機械的な部分、素材的な部分もさまざまな進化を遂げてきています。
ゴムの表面に炭素コーティングが施されているグラファイトワイパーなどは割と最近に登場してきたものといえます。
■ワイパーも含めてクルマは常に進化している
ワイパー単体を見ても、ワイパー周囲を見ても、「進化は止まっていない」といえるでしょう。特許庁のホームページでは、特許や実用新案の検索が可能です。
キーワードを“ワイパー 自動車”として検索してみると、該当するものを毎年20~50件程度を見つけることができます。さらに意匠の登録も数多く見られます。それだけワイパー関連も進化しているという証拠です。
クルマはつねに進化しています。その理由は魅力を高めるためであったり、安全性を高めるためであったり、価値を高めるためであったりとさまざまですが、廃止されるものもある一方、非常に数多くの部分が進化を止めていないことは紛れもない事実なのです。
コメント
コメントの使い方私自身余り多くの車を乗った経験は無いのですが、ワイパーの稼働範囲が不十分に思えてなりません。
運転席から見て、右ピラー側の拭き残しや右下の拭き残し、ワイパーの長さと可動範囲をもう少し工夫してくれたら、拭き残し面積が減って雨の日の前方視界が良くなると思います。
新車の試乗レポートでも、ワイパーについてコメントする事は先ずありません。
雨の日には必要不可欠の重要な機構なのですが、チョット残念です。