■新たな強敵出現!? 可搬式オービスって何だ!
取締機とレーダー探知機の関係はある意味「イタチごっこ」、つまり終わりが無い。前述した多彩なバンド受信機能やGPS搭載によりかなり取締に対応できるようになった。
しかしそこに新星のごとく!?現れたのが、可搬式(ユニットによっては移動式と呼ぶケースもある)オービスである。
これまで語ってきた取締機は全て道路に設置するのが基本である。しかしこれでは事前にGPSなどで情報がわかってしまうので、取締ポイントに近づいた時だけ減速し,その後はまた加速するケースも少なくない。
取り締まる側としては気がつかない内に計測を完了しているのがベストである。そこでGPSデータを実質無効化する切り札として投入されたのが自由に運搬や移動が可能な小型オービスなのである。
とにかくこいつは厄介というか、車両から降ろして短時間で設置、その日の取締が終われば即、撤収できるのがメリットだ。さらに設置場所も自由なので交通量が多く、取り締まりしやすい道路や「ゾーン30」と呼ばれる生活道路などを中心に歩行者や自転車の安全な運行を確保する場所にも出没している。
筆者が始めて可搬式オービスに出会ったのは埼玉県だったが、最近一番驚いたのが首都高速の環状線外回りと3号渋谷線上りが合流する「一の橋ジャンクション」に可搬型オービスが設置されていたことだ。
特に3号線から環状線に合流する道路は下り坂になっており速度も上がる。さて合流といった時にまるでステルス機のようにオービスが設置されていた。
もちろんそこには警察車両も無く、手前からの識別はほぼ不可能、筆者は速度オーバーはしていなかったものの、やはりブレーキを踏んでしまったが、周りの風景に溶け込んでしまっているオービスはなかなかの強敵である。
■レーダー(電波)ではなくレーザー(光)で取り締まる
この可搬型オービスには実は大きく2種類に大別される。ひとつはこれまでのレーダー、つまり電波を発射し、その反射波から速度を測定するもの。そしてもうひとつが、本体から“レーザー光”を発射して速度を測定するものがある。
レーダーに関しては比較的新しい18~29GHz帯を使用する「新Kバンド」と呼ばれるものが使われているが、こちらも最新のモデルでは受信に対応している。
しかし、レーザー光の場合は電波ではなく、光なのでそれを受信する専用ユニットが必要となるわけだ。
具体的にはレーザー光を受信するためのレンズとセンサーを探知機側に組み込んだ物が最新のレーダー探知機のトレンドと言える。
代表的なメーカーとしてはユピテルの「エスフェリックレンズ」やコムテックやセルスターなどの商品はこれらに対応しており「レーダー&レーザー式」といった商品名で販売している。
また取締機自体としてはレーザー光に対応していなくても多くのメーカーはその目撃情報をデータベース化することでユーザーに位置を配信している。つまり過去に実際取締機が設置されていた、という情報自体も取得できることで周辺走行時の速度抑制に効果があるはずだ。
■オススメの3モデルを紹介
ドラレコ同様、レーダー探知機も多くのモデルが販売されているが、特にオススメのモデルを3機種紹介する。
●ユピテル LS320 実勢価格:3万5000円前後(リンク先)
早い時期からレーザー光オービスに対応してきたユピテルの最新モデル。新型はレーザー光に関しては第3世代となるモデルで探知性能が第2世代モデルより約40%向上しており、最近話題の新型可搬式オービス「LSM-310」にも対応しているという。
ディスプレイは3.6型と大きくタッチパネルを採用、レーザー光に似た波長の太陽光などの影響を受けづらいフィルター類も搭載する。
●コムテック ZERO 909LS 実勢価格:3万2000円前後(リンク先)
レーザー光受信部などを別体にしたセパレート構造により本体を11.9mmと薄型化したのが特徴。受信部の取り付け位置の自由度が増し、受信性能も従来機と比べ約150%向上している。
オプションの無線LAN内蔵SDHCカードを活用すると他のユーザーがサーバーにアップした取り締まり情報を受信することで約1km前からリアルタイムの警報が可能である。
●セルスター AR-W86LA 実勢価格:3万2000円前後(リンク先)
本体にレーザー光受信部を内蔵するワンボディ式のレーザー&レーダー探知機。レーザー光の受信レベルを強・弱2段階で判定できる機能を搭載することで、取り締まりの危険度を把握することが可能。
ディスプレイは3.7インチで「災害・危機管理通報サービス」にも対応、同社の対応ドラレコと接続することでドラレコの映像をレーダー探知機側に表示したり電源供給も行うことができる。





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