販売上の勢いはドライブレコーダーに軍配が上がるが「安全運転のための重要カーグッズ」として実は40年以上の歴史を持つのが「レーダー探知機」である。
ただ、レーダー探知機と言っても色々な種類もあるし、取り締まる側の方式や法律も変化しているのが現実だ。
ここでは基本的なレーダー探知機の仕組みと最新のトレンドを紹介することで間違いないレーダー探知機の購入に役立つ情報をお伝えしよう。
文/高山正寛、写真/ベストカー編集部、ユピテル、コムテック、セルスター、Adobe Stock
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■レーダーってそもそも何?
そもそも取り締まる側の「レーダー取締機(速度違反取締装置)」はどんな仕組みなのか?これは高校の物理の授業などで教わった「ドップラー効果」を思い出すとわかりやすい。
まず取締機は測定対象となる物体、つまりクルマに対し、電波を発射する。電波はクルマに当たった後、反射し戻ってくるわけだが、静止物であれば何も変化がなくても移動物、つまり走行時には戻ってきた電波の周波数には変化が生じる。
もう少し簡単に言えば、野球のスピードガンなども原理はほぼ同じ。ピッチャーが投げたボールにレーダー波を発射しその反射波を受信することで球速を算出できるわけだ。
レーダー探知機はこの取締機から発信される電波を受信しドライバーに警告するのが基本的な仕組みだ。しかし受信する周波数もXバンド(マイクロ波10.525GHz)を中心とした取締機だけでなく、取締受信(警察などで使われるカーロケ)など多彩。
ゆえに昨今のレーダー探知機は低価格のものであれば3バンド(3種類)、昨今常識になりつつある高機能モデルであれば17や18バンド(種類)といった商品が多く出回っている。
●オービス、LHシステム、取締機の種類も多い
速度取締機の総称として使われるのが「オービス」という単語、詳細は割愛するが、本来オービスはボーイング社の商標登録で日本では同社と東京航空計器のみが使用できるが、ほとんどの場合、取締機の総称と使われているのが現実である。
取締機から発射された電波を受信してドライバーに警告するのがレーダー探知機の基本的な考えだが、日々取り締まる側は進化を続けており、従来までの方法(探知機)では取締情報を取得することが難しくなってきた。
その中でも最もメジャーとも言えるのが「ループコイル式」や「LHシステム」と呼ばれるものだ。これ自体は道路に埋め込まれた磁気センサーを感知して速度を計測する。
従来までのレーダー探知機は「Hシステム」と言われる前述した電波を受信することで警告が可能だったが、ループコイル式はそもそも電波を発信しないのでレーダー探知機ではお手上げ。
またLHシステムはHシステムとループコイルを合体させた方式だが、基本はループコイルがメインとなるので、こちらもお手上げということになる。そこで考えられたのがGPSを活用しレーダー探知機の場所を事前に伝える仕組みなのだ。
●カーナビと同じ考えでレーダーの位置を報告
昨今のレーダー探知機の多くにはカーナビ同様に自車位置を測定できるGPSが搭載されている。予め全国の取締機のデータが座標軸としてインプットされているので、ここに近づくことで警告を鳴らしてくれる。
上級モデルであればまるでカーナビのような(と言っても簡易型だが)地図表示を行えるレーダー探知機もあり、視覚的にも取締機の位置が把握できるわけだ。
また後述するが、毎月のように変わる取締情報に関してもレーダー探知機のメーカー側がアップデートを行ってくれる商品も多く、普及モデルならばSDカード経由、高級機であれば搭載する無線LAN(Wi-Fi)経由で最新情報に書き換えることができる。
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