【捨てるのはまだ早い!!】カセットテープ、MDをクルマで聴いてタイムトリップしよう!!


 クルマでカセットテープやMDを聞きたいけど、再生する手段がない、とお嘆きの貴兄に朗報!! 昔一生懸命録音してクルマで聴いたあの曲を再び聞くのは、アルバムをめくるのと同じように昔にタイムスリップできる。

 当記事では少数ながら今でも新品で買えるクルマ用カセットデッキとMDプレーヤーを紹介する。

文:永田恵一/写真:HONDA、NISSAN、PIONEER、ベストカー編集部、ベストカーWeb編集部


絶滅状態だが絶滅したわけじゃない

 現在30代後半以上の人であれば音楽などを録音する媒体にカセットテープを、20代後半以上の人であればMDを使っていた時期があるだろう。

 しかし今や両者はパソコンで作れるCD-RやDVD-R、SDカード、USBメモリー、ハードウェアもデータを入れるだけのスマートフォンやデジタルオーディオプレーヤーに移行しており、絶滅状態である。

1980年代にデートカーとして一世風靡したホンダプレリュードだが、車内で聴くオリジナルカセットテープはドライブデートに必須のアイテムだった

 カーオーディオもその動きに追従しており、純正品社外品ともに両者に対応したものを見つけるのは困難で、今では外部入力やブルートゥースだけでCDを入れるドライブすらないクルマも珍しくない。

 しかし、両者をまだ持っている人であれば、「昔録音した懐かしい曲やラジオ番組を聞きたい」という人も少なからずいるかもしれない。

1970年代後半に登場したカセットデッキは、1980年代には当たり前の装備となった。写真はプレリュードの純正品だが、イルミネーションがきらびやかなアフター用品が大人気

カセットテープって何?

自分の持っているレコードやFMのエアチェックによりオリジナルテープを作るのが楽しかった。今思い出せば赤面するようなこともいい思い出だ

 1962年にオランダのフィリップスが開発したオーディオ用磁気記録テープ媒体。手軽に録音・再生できるカセットは当時は画期的だった。

 アナログなものだけに録音には音源そのものの時間が掛かる、1本のカセットテープではそのまま録音するか上書きするかしかできないので編集に時間が掛かる、選曲に時間が掛かる、テープが絡んだり切れたりすることがあると、現代のものに比べると非常に不便な媒体であった。

 しかし、レコードのような暖かみのある音質には捨てがたい魅力があるのも事実だ。

現在購入できるクルマ用カセットデッキ

MAX WIN
型番:1DNSP004
価格:1万5000円前後(インターネット通販などでの実勢価格)

この機種の最大の特徴はスピーカーが左右に2個搭載されているのでスピーカーがなくても音楽を聴くことができること。スピーカーレスの軽トラオーナーも重宝するはず。デジタルソースも豊富だから既存のものも聞けるのがすばらしい

 カセットテープの再生はもちろん、この商品は本体に2つのスピーカーも付いているので、スパルタンな軽トラックのようなスピーカーのないクルマでもそのまま使えるのが有難い。

 さらに外部入力やブルートゥースも装備しているうえに、スマートフォンなどと接続した際には一時停止などの操作が本体からも可能なのも嬉しい。

 AM&FMラジオも聞け、カセットテープ以外の媒体もUSBメモリーとマイクロSDカードに対応し、カセットテープの音源はUSBメモリーとマイクロSDカードへのデジタル録音が可能となっており、CDが聞けない以外はなかなか使い出のある充実したカーオーディオに仕上がっている。

ビートソニック
型番:HCT3
価格:4万~5万円
(インターネット通販などでの実勢価格)

カセットが聞ける=アナログかと思いきやUSBメモリー、SDカードに対応しているバリバリのデジタル機でもある。これならいろいろな音源が聞けていい

 すでに生産を終了しており、在庫のみの販売となっているようでインターネット通販での実売価格は4万円から5万円と高騰中!! 欲しければ急げ!!

 こちらもカセットテープの再生、AM&FMラジオに加え、USBメモリーやSDカードにも対応し、スマートフォンなどとの接続に使える外部入力も装備。

 カセットテープの再生には片面が終わった際に自動で裏返すオートリバース機能を備え、AMラジオをFMラジオのクリアな音で聞けるワイドFMにも対応するなど、一見アナログに見えるカーオーディオながら現代的に使える面も合わせ持つ。

MD(ミニディスク)って何?

1993年にデビューした9代目(R33)スカイラインは上位グレードにMDプレーヤーが標準装備されて話題になった。新しいもの好きの日産らしくていい

 1990年代前半にソニーが開発した、正方形に近い形の中に小さなディスクが入ったデジタル媒体。カセットテープの代替を目指して開発されただけにCDのようなクリアな音質に加え、素早い選曲、リピートやランダムといった再生機能を持っていた。

 また編集に関してもカセットテープのように後に楽曲を加えられるほか(これはシングル曲を集めたMDを作る際に非常に便利だった)、楽曲や音声をつなげられるコンバイン、分けるディバイド、順番を入れ替えるムーブ、削除するイレース、曲名などを表示できる文字入力が可能で、発展性も広かった。

 さらに2倍モード、4倍モードを使えばラジオ番組などの長時間録音も可能と機能は申し分なく、日本では低価格化が進むと録音媒体はカセットテープから一気にMDに移行した。

スカイライン(R33)はFM/AMラジオに加えカセットとMDの両方を再生できる点が素晴らしかった。その後カーオーディオのトレンドはCD+ラジオが席巻

 それだけに20年ほど前の社外品のカーオーディオは2DINサイズでCD+MDに加えてAM&FMラジオというのが多く、1DINのMDデッキに加え、少数ながらMDチェンジャーや1DINの中にCDとMDを納めたものも純正、社外品ともにあったほどだった。

 しかし日本国内でしか普及しなかったのに加え、2000年代中盤あたりから冒頭に書いたパソコンで編集できる録音できるCD-R、コンパクトなSDカードやUSBメモリー、スマートフォンやデジタルオーディオプレーヤーといったハードウェアの登場により、MDのメリットは薄れ、現在はカセットテープ以上の絶滅寸前状態となっている。

現在買えるクルマ用MDプレーヤー

パイオニア
型番:FH-P530MD-B/S(B:ブラック、S:シルバー)
価格:3万5000円(定価・税別)

今では貴重なMDプレーヤーを搭載したカーオーディオ。パイオニアのような王手メーカーがラインナップし続けてくれることが安心感につながる。写真はブラック

 現在唯一新品で買えるMDプレーヤーと思われるこの商品は、対応する媒体はCD-Rを含むCD、MD、外部入力にAM&FMラジオとごくオーソドックスである。

 しかしブラック、シルバーともに高級感あるデザインや夜の車内を彩るイルミネーション、パイオニアらしい音質へのこだわりなど、今MDデッキを求めるというマニアックなユーザーや大人も納得できる高品質な仕上がりとなっている。

 定価3万5000円という価格は、CDやUSBにも対応する2DINデッキ、DVDにも対応する1DINデッキが定価2万円程度なのを考えると安くはない。

ブラックとともにシルバーもラインナップされる。インテリアカラー、ダッシュボードのカラーに合わせて選択できるのがうれしい。ディスプレイの色も違う

 しかし需要の少ないMD対応のデッキを残してくれているのを考えれば許容できるものなのに加え、筆者が免許取り立てだった20年前はこの商品に近いベーシックな2DINのCD+MDプレーヤーがディスカウントショップで5万円程度しており、それをワクワクしながら買ったのを思い出すと、コストダウンも含め技術が進んだことを痛感する。

 今でもクルマ用カセットデッキ、MDプレーヤーを残しているメーカーには今後も両者の供給が続くよう、頑張って欲しいところだ。


FH-P530MD-B を実際に装着するとこのようになる。イルミネーションも美しく使い勝手にも優れている。長く作り続けてもらいたい

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