【捨てるのはまだ早い!!】カセットテープ、MDをクルマで聴いてタイムトリップしよう!!

MD(ミニディスク)って何?

1993年にデビューした9代目(R33)スカイラインは上位グレードにMDプレーヤーが標準装備されて話題になった。新しいもの好きの日産らしくていい

 1990年代前半にソニーが開発した、正方形に近い形の中に小さなディスクが入ったデジタル媒体。カセットテープの代替を目指して開発されただけにCDのようなクリアな音質に加え、素早い選曲、リピートやランダムといった再生機能を持っていた。

 また編集に関してもカセットテープのように後に楽曲を加えられるほか(これはシングル曲を集めたMDを作る際に非常に便利だった)、楽曲や音声をつなげられるコンバイン、分けるディバイド、順番を入れ替えるムーブ、削除するイレース、曲名などを表示できる文字入力が可能で、発展性も広かった。

 さらに2倍モード、4倍モードを使えばラジオ番組などの長時間録音も可能と機能は申し分なく、日本では低価格化が進むと録音媒体はカセットテープから一気にMDに移行した。

スカイライン(R33)はFM/AMラジオに加えカセットとMDの両方を再生できる点が素晴らしかった。その後カーオーディオのトレンドはCD+ラジオが席巻

 それだけに20年ほど前の社外品のカーオーディオは2DINサイズでCD+MDに加えてAM&FMラジオというのが多く、1DINのMDデッキに加え、少数ながらMDチェンジャーや1DINの中にCDとMDを納めたものも純正、社外品ともにあったほどだった。

 しかし日本国内でしか普及しなかったのに加え、2000年代中盤あたりから冒頭に書いたパソコンで編集できる録音できるCD-R、コンパクトなSDカードやUSBメモリー、スマートフォンやデジタルオーディオプレーヤーといったハードウェアの登場により、MDのメリットは薄れ、現在はカセットテープ以上の絶滅寸前状態となっている。

現在買えるクルマ用MDプレーヤー

パイオニア
型番:FH-P530MD-B/S(B:ブラック、S:シルバー)
価格:3万5000円(定価・税別)

今では貴重なMDプレーヤーを搭載したカーオーディオ。パイオニアのような王手メーカーがラインナップし続けてくれることが安心感につながる。写真はブラック

 現在唯一新品で買えるMDプレーヤーと思われるこの商品は、対応する媒体はCD-Rを含むCD、MD、外部入力にAM&FMラジオとごくオーソドックスである。

 しかしブラック、シルバーともに高級感あるデザインや夜の車内を彩るイルミネーション、パイオニアらしい音質へのこだわりなど、今MDデッキを求めるというマニアックなユーザーや大人も納得できる高品質な仕上がりとなっている。

 定価3万5000円という価格は、CDやUSBにも対応する2DINデッキ、DVDにも対応する1DINデッキが定価2万円程度なのを考えると安くはない。

ブラックとともにシルバーもラインナップされる。インテリアカラー、ダッシュボードのカラーに合わせて選択できるのがうれしい。ディスプレイの色も違う

 しかし需要の少ないMD対応のデッキを残してくれているのを考えれば許容できるものなのに加え、筆者が免許取り立てだった20年前はこの商品に近いベーシックな2DINのCD+MDプレーヤーがディスカウントショップで5万円程度しており、それをワクワクしながら買ったのを思い出すと、コストダウンも含め技術が進んだことを痛感する。

 今でもクルマ用カセットデッキ、MDプレーヤーを残しているメーカーには今後も両者の供給が続くよう、頑張って欲しいところだ。


FH-P530MD-B を実際に装着するとこのようになる。イルミネーションも美しく使い勝手にも優れている。長く作り続けてもらいたい

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