近年、メンテナンスのしやすさや効果の持続性の高さからボディコーティングが主流になりつつありますが、ワックスもいまだに定番商品です。
「とにかくボディはツヤが一番!」とお考えの方であれば、コーティングよりもワックスの方がオススメ。しかし、ワックスもさまざまな種類があり、値段も幅があるため、どれを選んだら良いかお困りの方もいるでしょう。
本記事では、そんなワックスの特徴や選び方のポイントについて解説します。
文:立花義人
写真:Adobe Stock、HONDA
ワックスとコーティングの違いとは?
ワックスは油分を主成分としていますが、特に「カルナバ蝋」と呼ばれる樹脂を配合したものが、素晴らしいツヤと光沢をもたらします。
カルナバ蝋とは、ブラジル北部で栽培されている「カルナバヤシ」という植物の葉から採取される樹脂で、石油系もしくは植物系の油脂と配合して製品化されており、特に木の上部(先端)から採取されるものは上質とされています。
このカルナバ蝋配合ワックスは、効果の持続期間が短く、大体一ヶ月程度を目安に塗り直す必要があります。
一方コーティングは、シリコンやフッ素といったポリマー樹脂が主成分。ワックスほど深みのある光沢は期待できないものの、塗装面の保護や撥水性といった効果を長期間(数ヶ月から数年)持続させることが可能です。
それぞれの光沢の違いを表現するならば、カルナバ蝋入りのワックスは磨き上げられた紳士靴やツヤのある高級家具のような輝き、コーティングはキレイに磨かれたガラスや鏡、といったところでしょうか。
手軽? 本格派? ワックスの基本タイプは3つ!
ワックスには主に「固形」「半ネリ」「液体」の3種類があります。
■固形
昔ながらの缶に入ったタイプがほとんど。石鹸のように硬い状態のため、「固形」タイプと呼ばれています。カルナバ蝋を配合している商品のほとんどがこのタイプで、ツヤと光沢を期待できますが、3種類の中では一番扱いにくく、均一に塗るためには慣れが必要です。
■半ネリ
こちらも缶に入ったタイプが多数。固形タイプよりも柔らかく、クリームのような状態で、扱いやすく塗りやすいのでワックス作業にあまり慣れていない方にもオススメ。
しかし、その分さまざまな成分が配合されており、ツヤや光沢は固形タイプより劣ります。また、半ネリタイプにはコンパウンド(研磨剤)が含まれていて、クリーナーの役割を兼ねている商品もあります。
■液体
スプレータイプで、洗車後の濡れたボディに直接吹きかけて使用可能。施工が非常に簡単ですが、光沢は固形や半ネリに比べると落ちますし、ガラス面に付着すると油膜ができてしまうというデメリットもあります。
ワックス選びで重視すべき「配合割合」とは?
ワックスの最大の魅力は、深みのあるツヤと光沢。
そのため上記の3種類の中では、もっとも美しいツヤが得られる、カルナバ蝋入りの「固形タイプのワックス」が一番オススメ。
ですが、現在販売されているほとんどのワックスは「カルナバロウ配合」と書かれており、安価なものから高価なものまで、さまざまなカルナバ蝋入りワックスが販売されています。
ここで重視したいのは「配合割合」です。
カルナバ蝋は天然成分で高価な樹脂ですから、その配合割合が高ければ、当然ワックスの価格も上がります。低価格のワックスはカルナバ蝋の配合割合が低く、安価に提供するために石油系の油脂を配合しているのです。
コメント
コメントの使い方