売れてるセレナの人気の理由
セレナの売れ行きが好調な一番の理由は広い室内空間だ。標準ボディが5ナンバーサイズに収まるミニバンのなかでは、居住性が最も優れている。
ライバル車のヴォクシー系3姉妹車やステップワゴンに比べると、3列目シートのサイズに余裕を持たせ、セレナがスライド機能を備えたグレードであれば、3列目の足元空間も一番広い。
3列目を左右に跳ね上げて格納すると、荷室容量もタップリ確保できる。これらの優れた実用性により、セレナは高い人気を得た。
そしてエンジンは、発売時点から用意されるマイルドタイプのS(スマートシンプル)ハイブリッドに加えて、本格的なe-POWERも追加した。
e-POWERハイウェイスターVのJC08モード燃費は26.2km/Lだから、全長が4600mmを上まわるスライドを備えたミニバンでは、最良の数値になった。
人気グレードはどのグレード?
外観は5ナンバーサイズに収まる標準タイプとエアロパーツを備えたハイウェイスターがあり、多彩なバリエーションも魅力だ。日産自動車に聞いた、セレナのグレードのなかで特に多く売れるベスト3は、以下のようになる。
■セレナの人気グレード上位3位(日産調べ)
●1位:e-POWERハイウェイスターV(35%/349万9100円)
●2位:ハイウェイスターV(24%/298万6500円)
●3位:標準ボディXV(9%/273万6800円)
e-POWERハイウェイスターVと、2LのSハイブリッドを搭載するハイウェイスターVの2グレードで、セレナの登録台数全体の59%を占める。
スライドドアを備えた背の高いミニバンでは、セレナに限らずエアロパーツを装着したグレードの人気が高い。ノーマルボディでは、外観の見栄えが大人しく、商用車のように見えてしまうこともあるだろう。
またセレナでは、ハイウェイスターの価格を割安にしている。ハイウェイスターVは、標準ボディXVに、エアロパーツ、アダプティブ機能付きLEDヘッドランプ&フォグランプ、16インチアルミホイール、ハイウェイスター専用サスペンションなどを加えて、価格上昇を24万9700円に抑えた。
これらの装備をほかのミニバンに装着した場合、一般的な相場で約35万円に相当するから、セレナハイウェイスターVは割安だ。
両側スライドドアの電動機能なども標準装着され、300万円以下で機能と装備の充実したミニバンを手に入れられる。
一方、e-POWERハイウェイスターVの価格は、ハイウェイスターVに比べて51万2600円高い。
この価格の上乗せは、ライバル車よりも多額だ。ステップワゴンもe-POWERと同様、発電機と強力な駆動用モーターを搭載して、巡航中にはエンジンが直接駆動する走行モードも備える。それでもハイブリッドの価格上昇は約49万円に抑えた。
ヴォクシー系3姉妹車は、装備の違いが少ないヴォクシーV同士でハイブリッドとノーマルエンジンの価格を比べると、ハイブリッドの価格上昇は約36万円に収まる。
ヴォクシーのハイブリッドはプリウスを含めて幅広い車種に搭載され、コストもセレナやステップワゴンに比べて安く抑えられるからだ。
■セレナのラインナップと価格(Autechを除く2WD車)※価格の安い順
X/257万6200円
XV/273万6800円
ハイウェイスター/275万8800円
ハイウェイスターV/298万6500円
e-POWER V/299万6500円
G/306万1300円
e-POWER XV/322万6300円
ハイウェイスターG/322万7400円
e-POWERハイウェイスター/329万3400円
e-POWER G/347万3800円
e-POWER ハイウェイスターV/349万9100円
e-POWER ハイウェイスターG/372万5700円
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