ざんねんなクルマ4/WiLLサイファ
■2002年8~2005年8月
■生息状況/全国に50台以上生息 約10万~45万円
1999年から2004年まで行われた「WiLL」プロジェクトは、トヨタ自動車のほかにアサヒビールや花王、松下電器産業(現パナソニック)などが参加していた異業種合同プロジェクト。
当時の言葉で言う「ニュージェネレーション層」をターゲットに見立てたマーケティングの合同実験でした。
その過程でWiLLブランドの自動車第3弾として2002年10月に発売されたのが、ここでご紹介するWiLLサイファです。
デザインコンセプトは「ディスプレイ一体型ヘルメット」とのことでしたが、なんとなく虫っぽいような気もします。基本プラットフォームは初代ヴィッツと同様です。
WiLLサイファの主たるテーマは、エンジンやプラットフォームうんぬんではなく「ネットワーク社会とクルマの融合」でした。
これって今日では一般的なテーマですが、2002年当時はまだ、そう言われても「???」という感じでした。
結局、WiLLサイファが採用した車載情報通信サービス「G-BOOK」も今では「何それ?」という人がほとんどでしょうし、WiLLサイファの走行距離に応じてリース料が課金されるというシステムもうまくいきませんでした。しかしWiLLサイファが「その当時目指したモノ」は、悪くなかったはずです。
現在の中古車相場は約10万~約45万円。全国で50台以上のWiLLサイファが今もなお、時代遅れのG-BOOKとともに、けなげに展示されています。
ざんねんなクルマ5/コロナスーパールーミーリムジン
■1990年5月 限定500台発売
■生息状況/ほぼ絶滅寸前 全国に1台 約100万円
トヨタコロナは、1957年から2001年まで続いたトヨタのコンパクトセダンシリーズ。比較的小ぶりでありながらまあまあよく走るし十分使えるということで、昭和のマイカーブームの屋台骨を支えたブランドのひとつです。
そして1990年、つまり「バブルの最終盤」に、コロナを取り扱っていたトヨペット店累計販売台数1000万台を記念して500台限定の「スーパールーミー」というグレードが発売されました。
実用大衆車である9代目コロナのBピラー部分を210mm延長させた「コロナのストレッチリムジン」です。……何を考えてこんなモノを作ったのか、筆者には皆目見当もつきません。
ただ、そう言われてみると思い出すのは、「バブルの終盤頃って、そういえば何でもアリな世の中だったな……」ということです。
現在の中古車相場は、筆者が確認できた限りでは全国1台で、そのプライスは約100万円。……けっこう高いですね!
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