ミニやトゥインゴは生まれ変わったのにVWビートルとフィアット500はなぜ新型が出ない??? リバイバルカーブームはもう去ったのか?

ミニやトゥインゴは生まれ変わったのにVWビートルとフィアット500はなぜ新型が出ない??? リバイバルカーブームはもう去ったのか?

 30年以上販売されていたモデルを現代に蘇らせた復刻車といえば、BMWミニとフィアット500、VWビートル。BMWミニは2024年3月に4代目にフルモデルチェンジしたものの、2019年7月にはザ・ビートルが生産終了。そしてついにフィアット500も2024年5月に日本向けの生産が終了してしまった。気になるのはVWビートルと、フィアット500。いったい新型は出るのだろうか?

文:ベストカーWeb編集部/写真:ベストカーWeb編集部

2024年3月に発売された4代目MINI。車名に“クーパー”が付けられ、モデル名が「MINIクーパー」となった
【画像ギャラリー】ミニ、ビートル、フィアット500、ルノー4、5、トゥインゴの写真をチェック!!!(17枚)画像ギャラリー

ミニは4代目で生き続けているがビートルは2019年7月に生産終了

2024年3月に発売された4代目MINI。車名に“クーパー”が付けられ、モデル名が「MINIクーパー」となった
2024年3月に発売された4代目MINI。車名に“クーパー”が付けられ、モデル名が「MINIクーパー」となった

 2024年3月に登場した4代目ミニは、実にうまい進化を我々にみせつけてくれている。ひと目でわかるデザインも正常進化し、丸いセンターディスプレイとトグルスイッチもモダンになった。

 パワートレーンは、まだまだ普及に至っていない世の中の状況を鑑み、BEVだけでなく、1.5Lと2Lのガソリン車の両方を用意してきた。モデルラインナップもクーパー3ドア&5ドア、カブリオレ、カントリーマン、エースマンと、時代に合わせてミニとはいえないサイズのモデルも用意し、進化を遂げてきた。

クラシックMINIは1959年の登場以来、改良を加えられながら、41年間フルモデルチェンジをすることなく生産され続けた
クラシックMINIは1959年の登場以来、改良を加えられながら、41年間フルモデルチェンジをすることなく生産され続けた

 一方、「かぶとむし」こと、VWタイプ1のリバイバル版、「ニュービートル」は1998年に発売され、それに続く「ザ・ビートル」は2011年から販売されたが2019年7月に次期型のアナウンスがないまま、生産終了となった。

1998年に登場したニュービートル
1998年に登場したニュービートル

 ザ・ビートルの販売当時から感じていたことだが、側だけでなくインテリアもミニほどレトロモダンにしていないし、基本骨格も古い。ミニと違って5ドアやワゴン、クロスオーバーSUVの派生車種を作らなかったから売れなかった……と言われることが多いようだが……。

VWタイプ1とザ・ビートル
VWタイプ1とザ・ビートル

 フィアット500も500Xや600eといった5ドア版も発売しているので、VWの頑張りがちょっぴり足りなかったのかもしれない。

 しかし、ビートルは違う形で復活することになる。そう、空冷VW時代のワーゲンバス、タイプ2の復刻版、BEVの「I.D.BUZZ」として登場するのだ。日本では2025年夏に1000万円前後で販売される。

ワーゲンバスタイプ2の復刻版といわれるI.D.BUZZ。日本には2025年夏頃に導入予定
ワーゲンバスタイプ2の復刻版といわれるI.D.BUZZ。日本には2025年夏頃に導入予定

 ビートルの復活もありそうな気もするが、販売不振からBEVの一本打法の見直し、ドイツ国内の工場閉鎖を迫られているVWの現状を見るとなかなか厳しいのが現実。

 BEV専用の新型プラットフォームSSPに切り替わる2028年以降に、フロアに全個体電池を敷き詰めたRR駆動にして、スタイルはタイプ1をレトロモダン化したデザインにすればできなくはないと思ったりもするのだが、今のVWを見るともはや夢物語になりそうだ。

VWタイプ2、21ウインドウ
VWタイプ2、21ウインドウ
【画像ギャラリー】ミニ、ビートル、フィアット500、ルノー4、5、トゥインゴの写真をチェック!!!(17枚)画像ギャラリー

チンクエチェントは500eにハイブリッド追加、新型も2029年に登場

フィアットヌーヴォ500と2008年に登場したフィアット500
フィアットヌーヴォ500と2008年に登場したフィアット500

 2008年にデビューしたチンクエチェントことフィアット500は、1957年に登場した2代目NUOVA」(ヌォーヴァ)500をモチーフにしたリバイバルカーである。そのフィアット500もステランティスジャパンは2024年5月をもってフィアット500および500Cの国内販売を終了すると発表した。

 ビートルに続いてチンクエチェントもか……と落胆の声が多く聞かれたが、新型が2029年に登場!

 その前にフィアット500はなぜ生産終了したのかだが、欧州連合の道路安全規制GSR2が2024年7月から施行されたため、そのGSR2に対応できなくなったというのがその理由。現在、さまざまなADASの導入が進んでいるが、従来の古いアーキテクチャーでは対応できないのだ。GR86の欧州発売が終了したのもそのためだ。

2022年6月に日本導入されたフィアット500e。118ps(220kW)のモーターと42kWのバッテリーを備える。一充電あたりの航続距離は335km
2022年6月に日本導入されたフィアット500e。118ps(220kW)のモーターと42kWのバッテリーを備える。一充電あたりの航続距離は335km

 とはいえ、BEVのフィアット500e(2020年発売)は販売している。この500eは500とはまったく別モノでプラットフォームはBEV専用、サイズも500に比べるとひと回り大きい。

 しかし、500eの販売が芳しくないため、ステランティスは500eのハイブリッド版「500イブリダ」を2025年11月に発売すると発表した。500イブリダはイタリア・トリノのミラフィオーリ工場で生産される。

 そしてついに待望の新型500が2029年に登場する。2030年には新型パンダもデビュー予定だ。ステランティスは、この2台のAセグメントカーを継続生産するいっぽう、グランデプントをはじめとするSUV、ピックアップなど5台のCセグメント車を発表、今後市場投入する予定だ。

 いずれにしてもあの愛くるしいチンクエチェントが今後も生き続けてくれることに、幸せをかみしめている。

ステランティスのグローバル最高マーケティング責任者(CMO)兼<em>フィアット</em>のブランド最高経営責任者(CEO)のオリビエ・フランソワが新型500の今後を明らかにした
ステランティスのグローバル最高マーケティング責任者(CMO)兼フィアットのブランド最高経営責任者(CEO)のオリビエ・フランソワが新型500の今後を明らかにした
【画像ギャラリー】ミニ、ビートル、フィアット500、ルノー4、5、トゥインゴの写真をチェック!!!(17枚)画像ギャラリー

次ページは : どうかしてるぜ!? ルノーも5(サンクだけでなく)、4(キャトル)、トゥインゴもリバイバル!

PR:【期間限定】ガソリンが6ヶ月最大7円/L引き ≫

PR:かんたん5分! 自動車保険を今すぐ見積もり ≫

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

新型MR2改めGRセリカの発売時期が決定!? GRスープラポスターもついてくるベストカー7.10号発売中

新型MR2改めGRセリカの発売時期が決定!? GRスープラポスターもついてくるベストカー7.10号発売中

ベストカー7.10号 特別定価590円 ちわ! 志が低すぎて15分で終わるミッションオイル交換に着手…