クルマを購入する時には車種、グレード、オプションなどいろいろなものを選択していくが、ボディカラー選びは醍醐味のひとつ。カタログを眺めながらどの色にするか、悩んでいる時は非常に楽しいひと時だ。
しかしボディカラーにはいろいろな都市伝説めいた噂、怪情報めいたものが流れている。買う前ならまだしも、実際に購入した後なら後悔することもあるだろう。
クルマ界に存在する噂、怪情報について考察していく。
文:ベストカーWeb編集部/写真:TOYOTA、HONDA、NISSAN、SUZUKI
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青色系のボディカラーのクルマは事故率が高い!?
クルマを運転していると事故を完全に防ぐことはできない。いかに事故を起こす因子を少なくするかという点でいろいろな研究、技術開発がされている。
巷では青系のボディカラーは事故率が高い、という都市伝説めいたものが存在するが、もはやクルマを乗る時の定説めいたものにまでなっている。
根拠はどこにあるのか?
これは1968年発刊された『Using Colour to Sell』(P.Danger著)で取り上げていたデータが日本でも紹介されたことで、青系のボディカラーは事故率が高いとなったとされている。
そのデータによると、ブルー:25%、グリーン:20%、グレー:17%、ホワイト/クリーム:12%、レッド:8%、ブラック:4%、ブラウン/ベージュ:3%、イエロー/ゴールド:2%となっていて、確かにブルーはワースト1位だ。
このデータが雑誌やネットで紹介されたことで青系のボディカラーは事故率が高い、というのが広まったわけだが、1968年といえば2019年の時点で51年前。そのデータがいまだに信憑性を持って語り継がれているとは……。
調査してみたが、これに関する最新のデータは公表されていない。ただ青系のボディカラーのクルマが事故に遭う可能性が高くなるかも、と思わせることはある。
色には実際より近く、大きく見える進出色・膨張色と実際より遠く、小さく見える後退色・収縮色があるのはご存じかと思う。青は後退色・収縮色、赤は進出色・膨張色の典型だ。
なぜ色によって見え方が変わるのかの詳細は省くが、色はそれぞれ波長というものを持っていて、波長の長い赤系は近くを見る時と同じ状態で、逆に波長の短い青・紫系は遠くを見るのと同じ状態になっているのだ。
実際より遠くにいると感じる後退色・収縮色の青の場合、前走車に接近した場合、近づいていることに気づきにくかったり、車間距離を見誤りやすかったりするのかもしれない。
しかし、何メートルも違うように見えるわけではないから、視覚的なものがそのまま追突事故の可能性が高くなるとは思えない。
ボディカラーはクルマ選びの醍醐味のひとつだから、好きなものを買うのが正解。そして青系のボディカラーが事故率が高いわけではない。
ただもらい事故して損するのは自分だから、接近しているのを前走車が気付きにくいかも、その程度の認識でいいと思う。
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