今から48年前、東京の府中で起きた世紀の迷宮入り事件、3億円事件。発煙筒を使い、巧みな犯行で3億円を強奪した。
誰も傷付けず、誰も損をしなかったといわれる世紀の大事件の真犯人はいまだにナゾ。
しかし犯行当時の犯人の足取りをたどればなにかわかるかもしれない。そんな名探偵志望のあなたにぴったりなタクシーツアーを紹介しよう。
文:ベストカー編集部
写真:三和交通多摩
府中からはじまる魅惑のツアー
タクシー会社の三和交通多摩(株)の所在地は東京都府中市。この地名を聞いて「11月末のジャパンカップ負けたな~」という人はきっと競馬好き。そう、東京競馬場があるところだ。
でも府中といえばもうひとつ思い出すワードがないだろうか? そう、アノ事件を。
1968年12月10日、午前9時30分頃、その事件は起こった。2016年1月10日号を発売日に読んでいたならちょうど48年前の出来事。あの「三億円事件」が発生した日だ。白バイ隊員に扮した男が、東芝府中工場の冬のボーナスの約3億円を満載したバンを強奪。いまだに真犯人もナゾの迷宮入り事件。
それを題材とした三和交通のタクシーツアーが「3億円事件ツアー」。約60分のツアーで、残念ながらすでにチケットは完売している。
犯行ルートを半世紀の時を経て巡る
事件は府中刑務所脇の路上で発生したが、今回のタクシーツアーの出発点はJR国分寺駅北口。その理由は盗まれた現金輸送車が出発した日本信託銀行(現:三菱UFJ信託銀行)国分寺支店があるからだ。
史実では、事件の4日前に同行宛てに脅迫状が届き、事件当日に輸送車の乗員に爆弾騒ぎを信じ込ませるキッカケとなったとされる。
事件当日、セドリックの現金輸送車はここから3億円を積み込み出発。タクシーも現金輸送車が通行したルートを通り、犯行現場の府中刑務所脇の路上に向かう。
事件は白バイに扮したオートバイが現金輸送車の後方から接近して、車体の下にダイナマイトがあると脅迫。実際は発煙筒だったが、4日前の脅迫状の効果もあり、偽白バイ隊員に現金輸送車は乗り去られてしまう。
さらに警察の捜査を攪乱させたのが、犯人が2回クルマを乗り換えたこと。まずクヌギ林にて紺色のカローラに乗り替え、そして別の場所でカローラと現金の入ったジュラルミンケースを捨てている。タクシーはもちろんその現場も巡る。
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