【かつてはよく見かけたのに…】めっきり見なくなったクルマや仕様や装備たち 6選

一部改良で燃費を向上させるクルマ

 以前は一部改良やマイナーチェンジで燃費数値を向上させることが多く、特に凄かったのは、エコカー減税がクルマ選びに大きな影響を与えた2010~2014年頃の軽自動車だ。

 例えばスズキMRワゴンであれば、2011年1月発売時点では、ノーマルエンジンの10.15モード燃費が25.5km/Lであった。それが2011年3月のアイドリングストップ追加で27.0km/Lに向上。2012年2月にはMRワゴンエコを加えて、JC08モード燃費が27.2km/L(10.15モードは30.0km/L)に達した。

2011年にデビューしたMRワゴンは写真のMRワゴンエコを投入して、最終的にJC08モード燃費を25.5km/Lから27.2km/Lまで進化させた

 同じスズキの先代ワゴンRは、2012年9月の発売時点でノーマルエンジンのJC08モード燃費が28.8km/Lだったが、2013年7月の改良で30.0km/Lに達した。2014年8月のグレード追加で32.4km/Lとなっている。

 このように1年に1回、多ければ1年に2回の変更やグレード追加で、燃費数値を高めていた。当時の開発者や販売店からは「ライバル車との燃費競争で0.5km/Lの差が付けば、販売に与える影響も大きい」という声が聞かれた。

 今は燃費競争が収まり、一部改良で神経質に燃費数値を向上させるクルマも減った。ユーザーからメーカーの発表する燃費数値と実用燃費の格差が大きいと指摘され、WLTCモード燃費の採用もあり、実用を重視してモード燃費は追求しなくなった。

ダイハツミライースは初代ではスズキアルトエコと熾烈な燃費合戦を展開。現行モデルは燃費のよさはそのまま内外装、走りの質感アップにシフト

 エコカー減税は今も残るが、ユーザーの関心は衝突被害軽減ブレーキをはじめとする安全装備に移っている。

 またタイヤの空気圧を極端に高めて転がり抵抗を下げるような燃費重視のセッティングをすれば、車両の総合性能を下げてしまう。

 そして燃費数値は無制限には向上できず限界が訪れる。行き過ぎた燃費競争が不毛だとわかり、一部改良で燃費を向上させるクルマも減った。

大幅値引き車

大幅値引きといえばマツダ車が有名だったがそのマツダ車は現在ワンプライス販売となっている。マツダ3は利幅も小さく販売店も苦戦しているという

 以前は200万円のクルマを30万円以上の値引きで売ることもあったが、今はそのような大幅値引きは行われていない。理由を販売店で尋ねると、以下のような返答だった。

「今はクルマを1台売って得られる粗利が減った。クルマの小売価格の割にメーカーからの卸値が高く、ほとんど儲からないからだ。軽自動車やコンパクトカーに乗り替えるユーザーが増えて、高価格車が売れないことも儲からない理由だ。これでは多額の値引き販売はできない。

 また以前はメーカーから販売会社に販売報償金が頻繁に支払われ、これを原資に値引きを拡大できたが、今は特別な事情がない限り支払われない。こういった事情に加えて、クルマの売れ行きも伸び悩むから、大幅値引きができないのは当然だ」。

 このような状態だから、クルマの販売会社は、レンタカー、カーシェアリング、携帯電話の販売、生命保険の顧客紹介など、いろいろな事業を行っている。

トヨタは早い段階からワンプライス販売に着手していて、トヨタブランドでは崩壊するもレクサスは一貫してワンプライス販売を展開している

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