【変わらないのが安心感!!】変わり映えしないフルモデルチェンジで成功したクルマ5選

 2019年末に登場したスズキハスラーの2代目モデルはパッと見だと、「マイナーチェンジ?」と感じるほど、見た目もコンセプトも変わらないフルモデルチェンジだった。 ハスラーの変わらなさぶりは、ギャラリーを参照のこと 。

 これは初代モデルが想定外の大成功を納めたこともあり、大きく変える必要性の薄さや失敗するリスクを避けたためだろう。

 しかし中身は最新のプラットホームを使い、パワートレーンは新開発のNAエンジンとCVTを搭載。

 さらにスズキの軽では初となる停止まで対応する先行車追従型のアダプティブクルーズコントロールをターボ車に設定するなど、シッカリ進化している。それだけに2代目ハスラーの成功もほぼ確実だろう。

 振り返るとハスラーのように見た目をさほど変えないフルモデルチェンジで成功したモデルというのもそれなりにあり、当記事ではそんなクルマたちをピックアップしてみた。

文:永田恵一/写真:TOYOTA、HONDA、SUBARU、MAZDA、SUZUKI、佐藤正勝

【画像ギャラリー】スズキハスラー新旧比較!! 変わっていないようで実は大きく変わっている!?


トヨタクラウン(7代目→8代目)

ハイソカーブームの主役の1台だった7代目クラウンは1970年代の流れを汲むエッジの効いたデザインが特徴だった

 1983年に登場した7代目クラウンは威風堂々としたスタイルやゴージャスなインテリアを持つなど、いかにもクラウンらしいモデルだったことで成功を納めた。

 また日本車初となる2L、直6へのスーパーチャージャーの搭載(これは車重の重いクラウンを当時の税制もあり、主力だった2L、直6で引っ張るという厳しさへの対応でもあった)や、日本自動車史上に残る名キャッチコピーである「いつかはクラウン」を使ったのもこのモデルである。

 1987年に登場した8代目クラウンは7代目クラウンに比べると当時のトレンドもあり丸みを帯びたスタイルとなったが基本キープコンセプトで、このスタイルはクラウンらしい安心感のあるもので好評だった。

 また機能面は現代よりフルモデルチェンジによるクルマの進歩度合いがずっと大きかった時代だったこともあり、標準的なモデルの快適性などの向上に加え、上級グレードではエアサス、トラクションコントロール、ナビ機能も備えるエレクトロマルチビジョン(モニター)も装備。 

8代目クラウンは7代目に比べると空力などを考慮されて丸みを帯びたが、全体的な雰囲気は7代目を踏襲し、洗練したという表現がピッタリ

 さらにマイナーチェンジでは初代セルシオ用に開発された4L、V8を先行搭載し、モデル末期にも当時新しかった2.5L、直6を追加するなどの改良も抜かりなかった。

 結果バブルの絶頂期という時代背景も強い追い風になったのも事実にせよ、8代目クラウンは最も成功したクラウンとして歴史に名を残した。

ホンダN-BOX(初代→2代目)

ホンダ初のスーパーハイトワゴン軽自動車のN-BOXはライバル同様に標準タイプ(写真左)とエアロタイプのカスタム(写真右)をラインナップ

「ホンダが軽自動車に本腰を入れ始めた第1弾」として2011年に登場したN-BOXは、ダイハツタントや当時のスズキパレットといったスライドドアを持つスーパーハイトワゴン軽自動車のフォロワー(後追い)である。

 初代N-BOX、特に初期モデルはそれほどできのいいクルマではなかったが、装備内容を考えればリーズナブルな価格やカスタムの押し出しあるスタイル、ホンダのブランドイメージの高さを理由に2016年までに軽販売ナンバー1に3回も輝くほどの大成功を納めた。

 2017年登場の現行の2代目N-BOXはカスタムはともかくとして、標準車のスタイルは登場から1年が経った頃からようやく初代N-BOXとの違いがわかるようになったくらい変わり映えの少ないものだ。

 しかしインテリアや乗り心地、静粛性といった全体的な質感の劇的な向上、助手席が大きく動くスーパースライド仕様の設定などによる使い勝手のよさなど大きく進化。

現行の2代目のエクステリアは超キープコンセプトで登場。特に標準タイプ(写真右)は旧型と見比べれば違いがわかるが、単体で見ると新旧の判断に悩むレベル

 アダプティブクルーズコントロールも含まれるホンダセンシングの採用に代表される高い安全性など、2代目N-BOXはコンパクトカーの存在意義が薄れるほどの軽自動車に進化した。

 それだけに2代目N-BOXが登場から4年目に入った今でも売れまくっているのは当然だ。あまり変わり映えのしないフルモデルチェンジの最大のヒット作と言っていいだろう。

スバルインプレッサ(4代目→5代目)

4代目になって一気に質感がアップされてキャラクターチェンジしたインプレッサ。写真はセダンのG4でミドルクラスセダンとしてポジションを築いた

 インプレッサは2007年登場の3代目モデルから、標準モデルとモータースポーツ参戦ベース車となるWRXと距離を置いたこともあり、標準モデルは上質なミドルサイズカーというコンセプトを現行モデルとなる5代目まで貫いている。

 現行モデルは4代目モデルに対しボディサイズを若干拡大し、スタイルも最近登場したビッグマイナーチェンジ後のモデルになって変化がわかりやすくなったが、それでも「華のような部分はないけど堅実」というインプレッサらしいものであるのは不変だ。

 しかし乗ってみるとプラットホームをインプレッサでは二世代に渡って使ったSIシャーシから新世代のSGP(スバルグローバルプラットホーム)に変えたことによるハンドリング、乗り心地や静粛性に代表される動的質感、インテリアの質感、アイサイトをはじめとした各種安全性など、すべての性能が大幅に向上している。

 標準モデルのインプレッサはスタイルが象徴するようにやや地味なイメージも否めないが、実に堅実なクルマなのもあり、クロスオーバーのXVも含めると堅調に売れているのもよくわかる。

新旧を比べるとヘッドランプが薄くなっているなどの違いはあるが、基本的なイメージは新旧同じ。ただしクォリティ感は大幅に現行モデルが上だ

マツダCX-5(初代→2代目)

 初代CX-5は2012年に、この頃からマツダが展開し始めていたSKYACTIV技術をすべて盛り込んだ1号車となるミドルSUVとして登場。

 特に2.2Lディーゼルはパワフルかつ低燃費な上に比較的低価格という三拍子が揃っており、画期的だった。またクルマ自体の完成度も全体的に高く、販売も好調だった。

マツダのターニングポイントとなったミドルクラスSUVのCX-5。マツダのモデルチェンジの通常サイクルよりもかなり早く4年でチェンジ

 2016年12月登場の現行型2代目モデルは内外装の変更こそ今回挙げた5台の中では大きいほうだった。

 ただパワートレーンやプラットホームは初代モデルの改良版となることもあり着実な進化を実感できたものの、「モデルサイクルの途中で飽きや古さを感じないだろうか」という懸念もあった。

 しかし時が進んでも、古臭く感じなかった理由としてライバルとなるミドルSUVの魅力や進歩が2019年登場のRAV4を除くとそれほどでもなかったことがまず挙げられる。

薄くシャープになったヘッドランプ、さらに美しくなった面構成、力強さを増した面の張りなど違いはあるがイメージ的にはあまり変わっていない

 そして現行CX-5が2.2Lディーゼルのパワーアップ(175psから190ps)、2.2Lディーゼル+MTの設定といった商品力の向上を毎年のように行っているおかげもあり、相対的に高い競争力を維持している。

 このような理由から現行CX-5の販売は現在も堅調だ。

スイフトスポーツ(2代目→3代目)

初代スイフトスポーツが実直な2ボックスだったのに対し、2代目スイフトスポーツはスタイリッシュで人気に火が付いた

 入門スポーツモデルとして根強い人気が続いているスイフトスポーツが台頭し始めたのは、スイフトが2代目だった2005年のこと。

 1.6L、NAのため速さはほどほどながら、楽しさとスタビリティ(安定性)を高次元でバランスさせたハンドリングを持ち、5速MT車の価格は156万4500円からと内容を考えれば激安で、クルマ好きの味方のようなクルマである。

 それだけにスポーツモデルとしては販売も順調で、アフターパーツ業界も活気付いた。

 スイフトスポーツは3代目スイフトの標準モデルから約1年遅れの2011年11月デビューだった。

 標準モデルのスタイルの変化が少なかったためスイフトスポーツもそれに準じたため変わり映えせず。

ベースのスイフトがあまり変わらなかったのに準じている3代目スイフトスポーツだが、中身は大幅に進化。この熟成的モデルチェンジは大成功

 しかし中身の進歩は6速MTと組み合わされるようになった1.6L、NAエンジンのパワーアップ、2代目スイフトスポーツと同じ方向性でのハンドリングのレベルアップ、10㎏の軽量化と大きかった。

 価格も168万円(6速MT車)という安価をキープしており、順調に売れたのも当然だ。

 またスイフトスポーツが初代モデルと現行モデルを含めると4世代17年続いているというのは、続けていることだけでなく自動車業界や自動車文化における各種の循環という意味でも大変偉大なことだ。

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