スバルインプレッサ(4代目→5代目)
インプレッサは2007年登場の3代目モデルから、標準モデルとモータースポーツ参戦ベース車となるWRXと距離を置いたこともあり、標準モデルは上質なミドルサイズカーというコンセプトを現行モデルとなる5代目まで貫いている。
現行モデルは4代目モデルに対しボディサイズを若干拡大し、スタイルも最近登場したビッグマイナーチェンジ後のモデルになって変化がわかりやすくなったが、それでも「華のような部分はないけど堅実」というインプレッサらしいものであるのは不変だ。
しかし乗ってみるとプラットホームをインプレッサでは二世代に渡って使ったSIシャーシから新世代のSGP(スバルグローバルプラットホーム)に変えたことによるハンドリング、乗り心地や静粛性に代表される動的質感、インテリアの質感、アイサイトをはじめとした各種安全性など、すべての性能が大幅に向上している。
標準モデルのインプレッサはスタイルが象徴するようにやや地味なイメージも否めないが、実に堅実なクルマなのもあり、クロスオーバーのXVも含めると堅調に売れているのもよくわかる。
マツダCX-5(初代→2代目)
初代CX-5は2012年に、この頃からマツダが展開し始めていたSKYACTIV技術をすべて盛り込んだ1号車となるミドルSUVとして登場。
特に2.2Lディーゼルはパワフルかつ低燃費な上に比較的低価格という三拍子が揃っており、画期的だった。またクルマ自体の完成度も全体的に高く、販売も好調だった。
2016年12月登場の現行型2代目モデルは内外装の変更こそ今回挙げた5台の中では大きいほうだった。
ただパワートレーンやプラットホームは初代モデルの改良版となることもあり着実な進化を実感できたものの、「モデルサイクルの途中で飽きや古さを感じないだろうか」という懸念もあった。
しかし時が進んでも、古臭く感じなかった理由としてライバルとなるミドルSUVの魅力や進歩が2019年登場のRAV4を除くとそれほどでもなかったことがまず挙げられる。
そして現行CX-5が2.2Lディーゼルのパワーアップ(175psから190ps)、2.2Lディーゼル+MTの設定といった商品力の向上を毎年のように行っているおかげもあり、相対的に高い競争力を維持している。
このような理由から現行CX-5の販売は現在も堅調だ。
スイフトスポーツ(2代目→3代目)
入門スポーツモデルとして根強い人気が続いているスイフトスポーツが台頭し始めたのは、スイフトが2代目だった2005年のこと。
1.6L、NAのため速さはほどほどながら、楽しさとスタビリティ(安定性)を高次元でバランスさせたハンドリングを持ち、5速MT車の価格は156万4500円からと内容を考えれば激安で、クルマ好きの味方のようなクルマである。
それだけにスポーツモデルとしては販売も順調で、アフターパーツ業界も活気付いた。
スイフトスポーツは3代目スイフトの標準モデルから約1年遅れの2011年11月デビューだった。
標準モデルのスタイルの変化が少なかったためスイフトスポーツもそれに準じたため変わり映えせず。
しかし中身の進歩は6速MTと組み合わされるようになった1.6L、NAエンジンのパワーアップ、2代目スイフトスポーツと同じ方向性でのハンドリングのレベルアップ、10㎏の軽量化と大きかった。
価格も168万円(6速MT車)という安価をキープしており、順調に売れたのも当然だ。
またスイフトスポーツが初代モデルと現行モデルを含めると4世代17年続いているというのは、続けていることだけでなく自動車業界や自動車文化における各種の循環という意味でも大変偉大なことだ。
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