軽トラックはなぜ人気? 特徴と魅力をわかりやすく解説 MTならボケ防止にもなる!!!

中古で狙うならサンバーとアクティ

2012年2月29日をもってスバルは軽トラック&バンの自社生産を終え、軽自動車生産54年の歴史に幕を閉じた。写真はサンバー発売50周年記念特別仕様車「WR BLUE LIMITED」
2012年2月29日をもってスバルは軽トラック&バンの自社生産を終え、軽自動車生産54年の歴史に幕を閉じた。写真はサンバー発売50周年記念特別仕様車「WR BLUE LIMITED」

 「農道のポルシェ」の異名を持つスバル「サンバー」は、1961年の発売から半世紀に渡って生産された軽四輪トラックです。現在でもダイハツ「ハイゼット」のOEMによりモデル自体は存続しているものの、その愛称はスバル生産時代の6代目までを指す。

 個人から事業者までさまざまなオーナーから愛されたサンバーはなぜ、「農道のポルシェ」なる異名を持ったのか。その最大の理由はサンバーの構造にあります。

 一般に軽トラックは、運転席のシート下などにエンジンを配置し、後輪を駆動するフロントエンジン・リア駆動のFRレイアウトを採用しています。

 しかしサンバーは1961年に発売された初代サンバートラックが名車「スバル360」をベースに開発されたことから、リアの床下にエンジンを配置したリア駆動のRRレイアウトを伝統として継承。さらにサスペンションもスポーツカー同様の四輪独立懸架方式にこだわって採用していました。つまり、ポルシェ「911」と同様のコンポーネントを持っていたのです。

 部品数が増え、構造が複雑化することでコスト増にも繋がる4輪独立式のサスペンションをあえて採用したのは、バネ下重量を軽減し、路面への追従性を向上させるため。これにより、ぬかるみのような悪路でも高い走破性と優れた乗り心地を実現させました。こうしたこだわりが軽トラユーザーから評判を呼び、いつしか自動車好きから「農道のポルシェ」なる称号を与えられたのです。

ミドシップレイアウトを採用することから「農道のNSX」の異名をとったホンダ アクティ。2021年4月に惜しまれつつ生産終了
ミドシップレイアウトを採用することから「農道のNSX」の異名をとったホンダ アクティ。2021年4月に惜しまれつつ生産終了

 スバルサンバーに対して、そのライバルと言えるのが「農道のフェラーリ」と称されたホンダのアクティトラック。こちらはリアの車軸(リアアクスル)の前にエンジンを搭載し、リアを駆動するミドシップ(MR)レイアウトだったことから、同じMRを採用するイタリアンスポーツカーが愛称の由来とななりました。

 リアに重量物であるエンジンを搭載するモデルは、フロントエンジンの一般的な軽トラックに比べ、荷物を積載していない空車時においても重量バランスに優れ、トラクションが確保できます。フェラーリの異名は見た目などの表面的な意味ではなく、構造がもたらす性能に裏打ちされた賛辞と言うべきものなのです。

 初代アクティトラックの誕生は1977年にまで遡ります。ライバルであるダイハツ、スズキとの競争に敗れ、2021年に惜しまれつつ生産を終了するまで、実に約44年ものモデルサイクルをまっとうし、オーナー達に愛されたモデルでした。

アクティトラックの荷台。荷台長は1940mm、荷台幅は1410mm。荷台寸法はキャリイトラック、ハイゼットトラックも同じだ
アクティトラックの荷台。荷台長は1940mm、荷台幅は1410mm。荷台寸法はキャリイトラック、ハイゼットトラックも同じだ

 荷台の広さというトラックとしての実用性の追求から生まれたミドシップレイアウトにより、アクティトラックはライバル勢に比べ前後重量配分においても優れていました。

 特に1999~2009年の3代目モデルではほぼ50:50を実現。4WDモデルの設定も多い軽トラックにあって、2WDモデルであっても後輪にしっかり荷重がかかり、荷物を積載していない空車状態やぬかるんだ悪路でも高い走行性能を誇ったのです。

 このほか、エンジン自体にはライバル勢よりも高回転な特性があり、変速比もハイギヤード、荷台までフレーム一体のモノコック構造の採用など、各部にホンダらしいスポーツマインドが込められていたのですが、エンジンが運転席下にないため室内の静寂性にも優れていました。

 また、足回りは前輪をストラット方式としたほか、後輪はスポーツカーや高級車などにもみられる高性能なサスペンション方式、「ド・ディオンアクスル」を採用することで、ロードホールディング性を確保。路面状況に対して柔軟に追従する足回りが、未舗装路でも積載物を傷つけず、いたわりながら運搬することができたのです。

編集部まとめ

とても軽商用トラックとは思えないハイゼットトラックのコクピット。豪華ではないが大衆食堂から格が1つ上がったイメージ。クラス初のキーフリーシステム&プッシュボタンエンジンスタート、電動格納式ドアミラーも装備
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 もちろん、庭師・米農家・大工など、現場に強い“パートナー”として軽トラは不可欠。工具や資材の運搬はもちろん、駐車場の小さな現場にもスッと入り込めます。

 軽トラックは、荷台をウッドデッキ化したり、幌を取り付けて軽キャンピングカー化するユーザーも増えています。フルフラットな荷台はベッドにも早変わりします。

 それ以外にもボケ防止のためにMT車を購入し、普段のアシとして使うのもアリ。バイク感覚とまではいいませんが、まさにアシ代わりに使える相棒としていかがでしょうか。

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