燃費向上に限界はないのか? 日本メーカーの最新燃費技術

エンジン本体以外の新技術も続々登場

 またエンジンそのもの以外の燃費向上技術も小さくない効果を挙げており、2つ紹介しておきたい。

 1つ目は減速エネルギーをキャパシタに貯めるマツダのi-ELOOPと、12Vの鉛バッテリーと小型のリチウムイオンバッテリーに貯めるスズキのエネチャージだ。

 クルマは通常エンジンでオルタネーターを作動させ発電するが、オルタネーターを作動させるロスは意外に大きい。

 そのロスを減速エネルギーの利用で減らすのがi-ELOOPとエネチャージで、エンジンの負担が減るため燃費に加え、動力性能も向上すると、いいことずくめである。

 2つ目はまだ聞き慣れない、プリウスやクラウンマジェスタ、レガシィなどに装備されるグリルシャッターだ。

 クルマは暖気運転が必要だが、プリウスのような燃費のいいクルマ、つまり熱効率のいいエンジンを積むクルマほど余計な熱が出ないため、冬場は暖気に時間がかかる。

 その上冬場はヒーターが必要になるため暖気にさらに時間がかかり、暖気が終わらないとアイドリングストップができず、燃費が悪化するという悪循環が燃費のいいクルマほど起きやすい。

 そこでグリルを適度にふさいで走行風による「冷え過ぎ」を抑制するというのがグリルシャッターの役割だ。

 グリルシャッターの冬場の効果は絶大で、特に短距離での使用での燃費の悪化を防げ、加えてグリルシャッターをふさげば空気抵抗も低減する。

 このように自動車メーカーは燃費向上のため血のにじむような努力をしており、次の燃費向上技術がどんなものかも楽しみにしたいところだ。

クラウンマジェスタのグリルシャッター。車速やエンジン水温などに応じてフロントロアグリルのシャッターを開閉する
クラウンマジェスタのグリルシャッター。車速やエンジン水温などに応じてフロントロアグリルのシャッターを開閉する

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