ブルドッグの名にふさわしいシティターボII
1981年11月に発売された初代シティは、トールボーイと呼ばれる背の高いユニークなボディで登場。さらに、1982年9月に登場したシティターボは、遊び心を持った独特なスタイルやターボによるパワーがもたらす軽快な走りで人気となった。
1983年10月、それをさらに発展させたターボIIがラインアップに追加された。従来のターボとの最も違う点は、その過激さだろう。
その外観の印象から“ブルドッグ”のサブネームを与えられたシティターボIIは1983年11月に登場した(1986年9月販売終了)。
初代シティは本来は街乗り用途のコンパクトカーだったが、ターボエンジンと派手な外観を与えて、強烈な印象を残した。
モータースポーツでもワンメイクレース「ブルドッグレース」が開催され、ホンダの自動車メーカーとしてのスポーティなイメージを押し上げることに成功したといえるだろう。
“ブルドッグ”に搭載されたER型と呼ばれる空冷インタークーラー付き1.2L、SOHC“CVCC”直4ターボは、最高出力は110ps/5500rpm、最大トルクが16.3kgm/3000rpm。
ターボチャージャーのウエイストゲートにも過給圧制御のためにエンジンの電子制御システム「PGM-FI」を採用したうえで、「スクランブルブースト」と呼ばれる過給圧(通常は0.85kg/cm2)を、4000rpm以下でスロットル全開時に10秒間約10%上げる機能を備えていた。
これに組み合わされるトランスミッションは5段MTのみというのも、スポーツ性を強く意識した設定といえた。
前後マクファーソンストラットのサスペンションは、トレッドが標準仕様に比べ拡大され、フロントが+30mmの1400mm、リアが+20mmの1390mmとされた。
これに対応して外観では、前後ホイールハウスを“ダイナミックフェンダー”と呼ばれるブリスター形式を採用するなど、迫力に満ちたエクステリアを備えた。
ボディサイズは全長×全幅×全高が3420×1625×1470mmと、シティターボからそれぞれ40mm、55mm、10mm拡大、ホイールベースは2220mmと共通。
車両重量は45kg増加の735kg(サンルーフ仕様車は745kg)となった。ちなみに、全高の高さに配慮して、前後サスペンションに専用のスタビライザーを与えていた。
■シティターボII エンジン主要諸元
●VF型:1.2L、ER型インタークーラー付きターボ、SOHC CVCC、最高出力/最大トルク:110ps/16.3kgm。車両重量:735kg
■シティターボII 主要諸元
●全長×全幅×全高:3420×1625×1470mm
●ホイールベース:2220mm
●重量:735kg
●エンジン:ER型インタークーラー付き直4SOHCターボ
●排気量:1231cc
●最高出力:110ps/5500rpm
●最大トルク:16.3kgm/3000rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:185/60R13
●価格:123万円
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