コロナ禍の影響で、各自動車メーカーの生産工場では休止もしくは生産調整が行われており、ユーザーが新車を契約してから、ユーザーに渡される納車までの期間が長期化傾向にある。
しかし、そうしたやむをえない状況を差しおいても、発売されたばかりの新車に人気が集中し、納車が3ヵ月以上もざら、なかには1年以上に達する人気モデルもある。
そこで、6月上旬現在で、納期が長いクルマを調査し、納期が長い理由は何か、流通ジャーナリストの遠藤徹が徹底解説する。
文/遠藤徹
写真/ベストカーWeb編集部
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通常の納期はどれくらい?
最近、新車の納期が長期化する傾向がある。4月以降、コロナ禍によるサプライヤーからの部品供給の遅れで一時的な生産休止や需要減に伴う組み立てラインの調整が行われおり、人気の高いモデルは納期がさらに遅れ、車種による納期の大幅な違いが発生しているのが最近の傾向である。
メーカーによる格差もある。トヨタは受注してから生産するシステムをとっているので、そのぶん、他社より納期が長くなる傾向がある。
日産、ホンダ以下各社は量産主要モデルの多くを見込み生産しているので、グレードやボディカラーの選び方次第で新型の人気モデルでも納期が早くなるケースもある。
一般的には新規やフルモデルチェンジで新型車を発売すると、新型車効果で需要が集中して納期が2~3ヵ月と長期化するが、半年くらいで鎮静化し、通常の1ヵ月以内~2、3週間で収まるようになる。
最近、納期が3ヵ月以上、長期化しているのはハリアー、ライズ、RAV4 PHV、ヴォクシー、ジムニー&ジムニーシエラ、ハスラー、ロッキー、タフトなどとなっている。
ヤリスとフィットはともに2020年2月の発売で5月までは納期が3ヵ月以上と長期化していたが、6月に入ってからは納期が1ヵ月半以内と短縮化している。フィットの方がグレードやボディカラーによっては1ヵ月以内で収まる場合もある。
トヨタ車で納期が長いクルマ
■トヨタ車で納期が長いクルマ
●ハリアー:4~5ヵ月
●ライズ:4ヵ月
●RAV4 PHV:4ヵ月半
●ヴォクシー:3ヵ月以上
●シエンタ:2ヵ月半
●アルファード/ヴェルファイア:2ヵ月半
トヨタ車で納期が長いクルマを挙げていこう。まず、2019 年11月5日に発表、発売したライズ。
発表発売約1ヵ月前から先行予約をスタートさせ、絶好調の滑り出しをみせ、その時点では3ヵ月待ちだった。
その後も順調に受注を続け、この6月上旬現在の納期は10月上旬で4ヵ月待ちとさらに長期化している。2トーンのボディカラーは手間がかかるのでモノトーンより2週間程度先延ばしとなっている。
ハリアーは6月17日の発表、発売だが、5月上旬から先行予約の受付を開始した。絶好調の滑り出しで納期はメイングレードの「Z」がハイトブリッド、ガソリンとも4ヵ月待ちの10月下旬、同レザーパッケージだと、さらに2週間後の11月上旬となっている。
RAV4 PHVは6月10日の発売で、5月中旬から先行予約を受け付けている。納期は4ヵ月半待ちの10月下旬になっている。
ヴォクシーは4月27日に一部改良し、3ナンバーサイズのエアロ仕様に絞ったラインアップに再編した。
1年後のフルモデルチェンジでノアに統合するのを見越しての対応策と思われるが、5月登録実績では3姉妹車のなかでヴォクシーがダントツで引き続きトップとなり、ノアやエスクワイアを大きく引き離している。
したがってこのことがヴォクシーの納期の長期化につながり、6月上旬現在では3ヵ月以上の待ちとなっている。
このほか、トヨタでは2ヵ月半待ちが、シエンタ、アルファード/ヴェルファイアとなっている。
カローラ、プリウス、C-HRは7月を中心に仕様変更があるため、現行モデルはオーダーストップとなっている。改良モデルの納期は6月上旬現在だと、いずれも不明となっている。
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