日産はキックスが納車待ち3ヵ月以上
■日産車で納期が長いクルマ
●キックス:3ヵ月以上
●ルークス:2ヵ月
日産は登録車だと6月24日発表、発売の新型SUV「キックス」が事前の予約受注段階で3ヵ月以上の納車待ちとなっている。
こちらは人気の高さというより生産がタイ工場であるから、船での輸送や国内に持ち込む際の完成検査などに時間が取られるなどの要因も重なっている。
このほか3月に発売した新型軽自動車の「ルークス」は2ヵ月、ノート、セレナ、エクストレイル、リーフは1ヵ月以内で、納期の長いモデルは今のところ少ない状況にある。
ホンダの納期は軒並み1ヵ月
■ホンダ車で納期が長いクルマ:なし
ホンダはフィットはじめ、フリード、ヴェゼル、ステップワゴン、オデッセイ、シビックなども軒並み1ヵ月以内で収まる状況にある。今夏に発売予定のシビックタイプRに関しては、納期が長くなると予想している。
軽自動車のN-BOX、N-ONEともに1ヵ月以内で収まる通常の納期である。
ジムニーはジムニー/ジムニーが納車待ち1年以上
■スズキ車で納期が長いクルマ
●ジムニー:1年以上
●ジムニーシエラ:1年以上
●ハスラー:3ヵ月
スズキは2018年7月5日に一新したジムニー/ジムニーシエラの納期は1年以上となっていて、6月上旬現在、正確に提示できない状況にあるという。
2019年末時点で、それまでの1年待ちが8ヵ月に短縮したが、今春に再び延びているという。国内に加えてヨーロッパを中心とした海外からの引き合いが多くなっているためだという。
ハスラーは2019年12月24日にフルモデルチェンジし、2020年1月20日に発売した。当初は4ヵ月以上と納期が長期化していたが、最近は3ヵ月と多少落ちついている。
ダイハツはロッキーとタフトに人気が集中
■ダイハツ車で納期が長いクルマ
●ロッキー:3ヵ月以上
●タフト:3ヵ月以上
ダイハツはトヨタライズと同時に発売した姉妹車のロッキーが3ヵ月以上と同様に長期化している。
6月10日に発表、発売の新型軽SUV「タフト」は事前の先行予約段階で3ヵ月以上の納期と好調な滑り出しをみせている。
このほか、マツダ、スバル、三菱自動車の3社は、1ヵ月以内と通常の納期となっている。
ただ、スバルは9月に一新するレヴォーグが7月中旬にも予約受注の受付を開始するので、それ以降になると3ヵ月以上の待ちになる可能性がある。
レクサスは全車受注生産で成約後45日以内(1.5ヵ月)以内に納車することになっている。現行モデルは発売後かなり期間が経過しているので、ほとんどのモデルが通常の納期になっている。
納期が長いクルマを早く手に入れる方法
通常の納期は1ヵ月以内、販社に在庫があれば2週間~3週間以内となっている。希望のグレードではなかったり、メーカーオプションやディーラーオプションが付いていない場合など、新たにオーダーする場合には1ヵ月以上かかる場合がある。
そもそも新規車種やフルモデルチェンジしたモデルは、新型車効果で受注が集中し、納期が長くなる。
その期間は各モデルの人気度合いで格差があり、その幅は3ヵ月~1年と広い。多くは新車を発表してから、半年から1年経過すると通常の1ヵ月以内に鎮静化するが、現行ジムニー&ジムニーシエラのように新車発売から2年経過しても1年以上待たされるケースがたまにある。
同じ車種でもグレード、搭載エンジン、ボディカラーなどによって納期に格差が生じるケースもある。売れ行きや人気の高低、見込み生産&販売する場合の在庫などによっても変わってくる。
見込み生産&販売とは、ユーザーが販社を訪れ、新車をオーダーする販売とは別に、販社が前もって売れそうなグレードやボディカラー、メーカーオプションを装着したクルマをメーカーに発注し、在庫しておく方式だ。
最近の傾向としては、新型車が発売されると、最上級グレード、または中間グレードに人気が集中するので、販社がメーカーに対して行う見込み生産が多くなり、納期は他グレードより早くなる傾向がある。
大ヒットモデルではそれが特に顕著で、ディーラーマンが手持ちのタブレットで、ボディカラーやいろいろな装備が組み合わされ、見込み発注された最上級グレードや中間グレードをいくつかユーザーに提示し、販売している。
見込み生産、見込み発注はトヨタ、レクサス車以外は、ほとんどのメーカーが実施しており、メーカーやディーラーのモータープールに保管し、コンピューター管理されているので、これを狙えば2~3週間以内の即納が可能だ。
納期が長いと言われているモデルでも、こうした在庫車を狙えばいち早く手に入れることができる。ただし、ボディカラー、グレード、オプションは好みのものを選べない場合があるので要注意。
ではなぜ3ヵ月以上納期が長引くことを予想できるのに、メーカー側は生産台数自体を増やさないのか?
受注台数が増えた時でも納期を通常の1~1.5ヵ月に収めるには、部品を供給するサプライヤー(下請メーカー)も含めて、規模の大きな生産設備を確保する必要がある。
そうなると発売から時間を経過して売れ行きが下がった時に、過剰な生産設備を持つことになってしまう。
生産量を増やすには、継続的に安定した需要を見込めることが不可欠。そうなるとメーカーとしては、増産に踏み切りにくい、というわけだ。
こうしたことから、多くのメーカーは、合理的に生産を行うため、予約受注を発売前に開始するのが当たり前になっている。
車種によっては、予約受注の開始が3月、価格を含めた正式な報道発表が6月、生産と納車を伴う発売が9月といった具合に、複数の段階を踏む車種もある。
生産開始よりも前の段階で、グレードやオプション装備などの正確な需要を把握しておきたいために、受注の開始を前倒ししているわけだが、それでも大ヒットモデルに関しては納期の長期化は解消されていない。
少しでも早く納車させたいなら、リスクを覚悟したうえで実車を見ないでいち早く注文するしかない、という状況になっている。
今後、コロナ禍の影響で生産が休止もしくは生産調整されていた各メーカーの工場も徐々に再開していくと思われるが、なるべくユーザーの身になって、納車が長くならないように、メーカーは生産量を増やすなど、努力してほしい(特にジムニー)と切に願うばかりである。
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