個性派? 破天荒?? 圧倒的個性でクルマ好きの度肝を抜いた国産車たち 5選

個性派? 破天荒?? 圧倒的個性でクルマ好きの度肝を抜いた国産車たち 5選

 日本人は突出した個性を嫌う、とよく言われる。それでも昔ほどではなくなったとは思うが、そんな日本にあって、突如現れ、最大限の個性を見せつけ、クルマ好きたちの度肝を抜いた“剛毅”なモデルたちをご紹介したい。

 目立つことを嫌うからこそ、これでもかと個性を見せつけるモデルたちは、逆に羨望の対象として深く心に刻まれるのかもしれない。

【画像ギャラリー】プレーリー XYVYX セラ… 強烈な“爪痕”を遺したクルマたちをギャラリーでチェック!!!

※本稿は2020年5月のものです
選出・本文/片岡英明
初出:『ベストカー』 2020年6月26日号


■ニッポンのクルマ界を面白くした5台の英雄たち

 1980年代、今につながる乗用車ベースのミニバンの分野を開拓した功労車が初代プレーリーだ。

日産 初代プレーリー(1982年)…両側センターピラーレスドアとしたことで乗降性は高いがボディ剛性が低く、車重に対してローパワーのエンジンもあって走りの評価は高くなかった

 FF化したオースター/スタンザ系のメカニズムを流用し、使い勝手のいい3列シートのミニバンに仕立てた。ボクシーなフォルムも個性的だ。

 最大の特徴は後席用スライドドアで、センターピラーを取り去ってアクセス性を大きく向上させた。

 三菱にもユニークな2ボックスカーがある。それが1987年10月に登場した3代目ミラージュに設定された「ザイビクス」だ。

三菱 ミラージュXYVYX(1987年)…1.6Lターボ搭載のサイボーグもある3代目に設定された謎モデル(ザイビクスと読む)。後席スペースを自由に使ってもらう狙いで2シーター化されたが、翌年には早くもカタログ落ちした

 表記は「XYVYX」と、意味不明。エクステリアも個性的で、一度見ると忘れられない。3ドアのリアクオーターウィンドウをパネルでふさぎ、商用バンのように荷室スペースを広げている。

 そう、このザイビクスは2シーターモデルなのだ。後部はクリエイティブスペースと呼び、自由に使える空間としている。

 デュアルグラストップ仕様やエアロパーツ装着車などを用意していたし、1.6Lの4気筒DOHCエンジンも選ぶことができたことに感動する。少し先走りすぎたが、今になると魅力がわかる。

 1990年代は個性的なクルマが多い。その筆頭はファッションクーペのセラだ。

トヨタ セラ 1990年…3代目スターレットをベースに作られた、ガルウイングドアが特徴の個性派。車体の上半分がほとんどガラスのため、夏場はけっこう暑かったりする

 走る温室と呼ばれるセラは明るいグラッシーキャビンを採用し、ドアは跳ね上げ式のガルウイングタイプとした。4人乗りだったことも衝撃である。

 ホンダもバブル期に開発したクルマはユニーク。FFスポーツクーペであるCR-Xファンの度肝を抜いたのが、1992年に誕生したCR-Xデルソルだ。

ホンダ CR-Xデルソル(1992年)…スポーツテイスト全開の初代、2代目から一転、オープンモデルとなった3代目CR-X。SiRが積む1.6L VTECは170psを発生するが、ファンには響かず

 クーペカブリオレの先駆けとなったスペシャルティカーで、自慢は電動によってルーフ部分を開閉できるトランストップだ。販売は今一歩だったが、この電動メカは大きな影響を与えた。

 プリウスに続くハイブリッド車のインサイトも初代は個性の強いスペシャルティカーである。

ホンダ 初代インサイト(1999年)…アルミ製ボディに樹脂製フロントフェンダー。リアホイールを隠すようなスパッツなど、なりふり構わない燃費追求マシン。10.15モード燃費は35.0km/L

 燃費向上のために徹底した軽量化を行い、ボディはアルミ製だ。空力性能にも強くこだわっている。採算を度外視したホンダの力作だ。


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