レガシィB4 受注終了で歴史に幕! 名門消滅に現場の声は?

レガシィB4 受注終了で歴史に幕! 名門消滅に現場の声は?

 2020年6月22日、スバルの旗艦として31年の余りの長きにも渡り国内で販売されてきた「レガシィ B4」が、ついに受注受付を終了した。

 レガシィシリーズのなかで、セダンモデルは発売当初から設定されており、途中から「B4」の名が与えられることになったが、ワゴンの「レガシィアウトバック」を残し、国内での歴史に終止符を打つことになる(海外では販売を継続)。

 伝統あるモデルの消滅は、現場でどのように捉えられているのか? 販売点で生の声を拾った。

文:遠藤徹、写真:スバル

【画像ギャラリー】受注受付終了したスバル レガシィB4をみる

6月22日にレガシィB4が受注終了へ

 スバルはこのほど、レガシィB4を6月22日に受注を終了することを明らかにした。このこと自体は2019年後半あたりに傘下のスバル店トップに伝えられ、一線の営業担当者も知っていたので「ようやく正式に発表したのか」といった程度の受け止め方である。

レガシィB4
レガシィB4

 最近のレガシイシリーズの販売推移は月平均400台そこそこで、このうちの80%程度はSUVのアウトバックで占められている。

 つまりB4は50台にも満たない販売台数に過ぎず、しかも大都市部だけであるから、スバル店にとってはさほど重要度が低い存在に過ぎない状況にあるのは確かである。

 なぜ売れ行き不振なのか。レガシィB4自体の人気度合いというより、セダン市場がますます狭くなり、生産維持が難しくなっているためといえるだろう。

 こうしたラインアップの縮小傾向はトヨタをはじめ日産、ホンダ、マツダなどの他社も同様であり、モデル廃止車が続出している。

ホンダは、8月にシビックセダンを生産中止する
ホンダは、8月にシビックセダンを生産中止する

 スバルにとってより厳しい状況にあるのは大半の登録車が4WD車であり、車重が嵩むことで燃費が悪くなる。

 これをある程度カバーできるのはハイブリッド車であるが、スバルの場合はモーターアシスト方式のマイルドハイブリッド(e-BOXER)しかないのでレガシィB4クラスだと、走りの方に重点を置かざるを得ないので、対応しにくいという事情がある。

レヴォーグ誕生がB4廃止のきっかけ?

 レガシィの歴史過程で国内市場のニーズにそぐわない流れもB4の販売不振を加速させた要因もある。フルモデルチェンジを繰り返し世代交代する度にボディサイズを拡大し、クオリティアップで進化させたことである。

 レガシィにとっては北米や欧州市場がメインであるから、現地のニーズに合わせざるを得ない事情がある。これがサイズ&クオリティアップとして具現化されている。

 国内市場がメインのツーリングワゴンはレガシィシリーズのようにいかないので2014年4月15日には「レヴォーグ」として分離独立させた。このことがレガシィシリーズ全体の戦線縮小となり、B4のモデル廃止に繋がったともいえる。

2014年に誕生した初代レヴォーグ
2014年に誕生した初代レヴォーグ

 燃費規制の強化とも関わりがありそうだ。今回の強化策は総量規制であるから、燃費改良に対応しにくいモデルは一時的にモデルを廃止し、対応できる技術開発を進める必要がある。レガシイB4のような走りを優先させるモデルがそれに該当する。

 この他のスバル車ではBRZやWRXの一部モデルも廃止の可能性がある。

BRZは、2020年7月20日をもって注文受付を終了する
BRZは、2020年7月20日をもって注文受付を終了する

 トヨタ、日産、ホンダのようにハイブリッドなど他のモデルでカバーできれば廃止の必要はないが、スバルのように少ない車種でスポーツ、4WDといった燃費にとってマイナスの商品ラインアップだと不利であり、モデル廃止で対応せざるを得ないといった事情もある。

新型レヴォーグプロトタイプ(東京モーターショー2019記者会見)
新型レヴォーグプロトタイプ(東京モーターショー2019記者会見)

 新型レヴォーグで新開発の1.8Lターボ車に1本化したのも、燃費規制強化との関連がある。

 燃費の悪い2Lターボを廃止し、新たに1.6Lターボをベースに高トルク型で燃費の良い1.8リッターターボを開発し、こちらに1本化したことでトータルの燃費改良を実施している。

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