世界的に旧車の人気が高まるなか、日本ではメーカー自らが、自社の旧車のレストアを行うところが増え、初代ロードスター向けサービスも2018年初頭に開始予定だ。
メーカー系リフレッシュサービスの現状はどうなっているのか? まずは、2016年に立ち上げられたボルボの例から、その現状を紐解く。
文:ベストカー編集部/写真:編集部、HONDA、MAZDA
ボルボの例にみる“リフレッシュサービスとは”
一人の男の熱意によって始まったプロジェクト、それが「ボルボ・ヒストリックカー・リフレッシュ・プロジェクト」である。その男こそ、現ボルボ・カー・ジャパンの木村隆之社長。
木村社長は当初、ボルボ アマゾンを探していたが、なかなかいい車が見つからなかった。そんな時、ウェブサイトで見かけたP1800に目を奪われ購入。
しかし、入手した当初はエンジン回りのオイル漏れやボディの錆など半世紀ぶんの疲労が蓄積していた。
そこで木村社長は、オリジナルの状態に戻そうとリフレッシュを行うことを決意。
リフレッシュを行っていく過程で旧いボルボオーナーと知り合いになり、旧世代のボルボを知るメカニックが高齢のため辞める人が多く修理できる工場も少なくなっているのでなんとかならないか、という声を耳にする。
そこで、木村社長は『ボルボ・ヒストリックカー・リフレッシュ・プロジェクト』を立ち上げ、2016年7月1日、ボルボカーズ東名横浜内に専用のワークショップ、『ボルボ・クラシックガレージ』をオープンさせた。
ちなみに、ボルボには本国にいったん生産終了した部品を再生産する「ジェネラル・クラシックパーツ」という部署があるが、具体的なリフレッシュプロジェクトはなく、日本独自のものだそうだ。
このリフレッシュプロジェクトの対象車は、100/200/700/900シリーズの最終1998年までと、一部のFF車の850T-5Rと850R。
専用の高度な技術を持つマルチ・スキル・テクニシャンが1台1台、ユーザーと相談しながら満足いくコンディションに蘇らせている。
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このように、もはや修理や整備が難しくなった自社の旧車を、当時の部品や知識・技量を持ったスタッフを用意し、オリジナルの状態に近づけられるのが、リフレッシュサービスなのだ。
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