自動ブレーキは”ICS”がカギになる【クルマの達人になる】

 

ベストカーの国沢光宏氏の連載『クルマの達人になる』。ベストカーでも人気の連載だが今回は自動ブレーキの性能を左右する”ICS”に迫ります。トヨタがセーフティセンスPについて公表した事故減少率の真意とは?

文:国沢光宏/写真:池之平昌信、トヨタ
ベストカー2017年10月10日号『クルマの達人になる』

 

 


 

■自動ブレーキ性能には”ICS”も大事

自動ブレーキの性能差による追突事故防止効果はどのくらいあるのだろう、と思っていたら、トヨタが突如セーフティセンスP(レーダー+カメラの上級タイプ)の事故減少率を発表した。それによれば、ついていない車両と比べ約半分になったという。

やはり性能的に厳しいのかもしれません。というのもスバルも事故防止率を発表しており、それによれば追突事故は84%も減っている。アイサイト2のデータのため、アイサイト3ならさらに優れた効果を持つことだろう。ボルボも事故減少率を発表しており、それによれば追突事故は77%減っている。アイサイト2とボルボの差は自動停止速度。

アイサイト2の場合、停止している車両に対し50km/hノーブレーキでも自動停止するのに対し、旧世代のボルボは30km/hまで。ただ警報を出すため、ブレーキ踏ませる効果大。ちなみにボルボも最新型は自動ブレーキ性能が大きく進化しており、最新型ならアイサイト3に勝るとも劣らないと考えていい。ということからすればトヨタの「半分」はイマイチのような気がする。トヨタのデータをもう少し詳しく見ると、ソナーを使った『ICS』(※1)と組み合わせれば9割減になるという。

ICSは停止状態からの飛び出し事故防止に有効な安全装備。アイサイト2には前方に障害物があった時にアクセル全開してもノロノロ走行しかしない機能が付くため、ICSと同じ? 総合的に評価するとセーフティセンスP+ICSで9割減らせる。ここまで読んで鋭い人は「なんと!」と思うだろう。

(※1)ICSとは「インテリジェント・クリアランス・ソナー」の略。アクセルペダルの踏み間違えなどの際にソナーが感知して車両を停止するシステム

 

■ICSなしでの自動ブレーキの効果は?

そうです。トヨタを含め、ICSなしの自動ブレーキだと、追突事故の50%しか防げないということ。30~40%が停止状態からの飛び出しで追突している。皆さんのクルマの自動ブレーキに飛び出し防止機能がついているか、改めてチェックしていただきたい。ついていないクルマは、飛び出し事故を防げない。ちなみに最近のスバル車には「後退速度抑制機能」があり、アクセル踏んでもユックリしか走らない。その点でスバルは進んでいる。

ここからさらに推測していく。気になるのが「常用速度域での自動ブレーキ効果」だ。30km/h以上で衝突すればダメージ大。常用速度域での防止効果は本当の意味での自動ブレーキ性能によって決まる。現在判明しているのは、スバルの84%とボルボの77%。半分は停止状態からの飛び出しによる追突だとすると、50km/hから停止のスバルは68%減。30km/hから停止のボルボは54%減ということ。

もちろんこの推論、もの凄くアバウト。根拠の母体も大きくない。ただ警察庁発表の「事故時の大ざっぱな速度」の統計と合わせれば、何となく妥当な数字かもしれない。すなわち30km/hまでなら半分。40~50km/hだと70%です。スバルもボルボもトヨタも最新の自動ブレーキなら80%くらいの追突事故を防げる可能性を持つ。25㎞/hくらいまでしか止まれない性能低い自動ブレーキだと、50%を下回ることだろう。この件、新しい情報あれば、ふたたび考察してみたい。

後退時などもソナーで障害物を感知して速度を制限するのが「ICS」だ。自動ブレーキの事故率低下にはこれが効いている

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