オランダの「Classic YOUNGTIMERS CONSULTANCY」社から、なんとも刺激的な“挑戦”が届いた。日本の誇るスーパースポーツ、日産GT-RをSUVに仕立ててしまった、というのだ。その名も『ゴジラ2.0』。
なんとも思い切ったことをする、と思いきや、GT-Rのプラットフォームは意外に汎用性が高いのだという。自動車評論家、永田恵一氏に語ってもらった。
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※本稿は2020年8月のものです
文:永田恵一/写真:Classic YOUNGTIMERS CONSULTANCY社
初出:『ベストカー』 2020年9月10日号
■GT-RのプレミアムミドシッププラットフォームはセダンやSUVにも転用できる
R35型現行GT-Rの生みの親である水野和敏さんは
「GT-Rのエンジンをフロントミドに積み、リアデファレンシャルとトランスミッションを一体化し、トルクチューブを使わずにプロペラシャフトでエンジンとつなぐプレミアムミドシッププラットフォームはGT-R専用と思われがちです。しかし、プレミアムミドシッププラットフォームはセダンやSUVにも転用できる汎用プラットフォームなんです」
と語ったことがある。
残念ながらそういったクルマは今のところ出ていないが、「もしもGT-RがSUVになったら」という夢をかなえてくれそうなのが、ここで紹介する「ゴジラ2.0」である。
GT-Rをオフローダー化した「ゴジラ2.0」は、オランダのClassic YOUNGTIMERS CONSULTANCY社が手がけたカスタマイズカーだ。
なお、同社は過去にランボルギーニガヤルドとベントレーコンチネンタルGTというスーパーカーとラグジュアリークーペの2台をオフローダー化した経験もあるファクトリーでもある。
ちなみにGT-Rはスカイライン時代の第2世代から海外では「ゴジラ」というニックネームで呼ばれていた。
これはGT-Rが「スポーツカーやスーパーカーではない乗用車的なスタイルをしているのに速い、強い」といった“速いハコ”という伝統も持つ点に親しみと敬意を表したものだ。
それだけにGT-Rをオフローダー化したカスタマイズカーに「ゴジラ2.0」という車名は実によく似合っている。
ゴジラ2.0のオフローダー化の手法はガヤルドやコンチネンタルGTと近く、具体的には
●足回り
・リフトアップ(ゴジラ2.0では120mmアップ)
・オフロードタイヤへの変更
●エクステリア
・オフロードを走る際によく似合いそうなサファリ柄のラッピング
・20インチと思われる外径の大きいオフロードタイヤを収める目的もあり、プラスチック製のオーバーフェンダーを追加
・フロントバンパーに付くLEDの補助灯
・ルーフに装着されたLEDバーライト
・スペアタイヤを積むためのルーフラック
といった具合だ。
なお、ゴジラ2.0のベースとなったGT-Rはノーマルで485psとのことなので2009年もしくは2010年モデルだろう。
ゴジラ2.0はオフローダー化以外にはブーストアップにより600psにパワーアップされており、GT-Rが無敵なのと同様に、オフロードならゴジラ2.0も誰もついていけないくらいの速さを見せてくれるに違いない。
そんなことを考えているとオフロード向けにマッド(泥)、サンド(砂)といった走行モードがあったら、より速く楽しいオフローダーになりそうだ。
また、SUVにおいてクーペSUVもだいぶ増え、そろそろ次の一手を考える時期が来るのは時間の問題だろう。
その点を踏まえると、手がけるのがメーカーなのか外部のファクトリーなのかはともかくとして、86&BRZのようなスポーツカーに出荷状態から車高を上げる、アンダーガードを付けるなどオフロード対応を行い、クローズドされたダートコースや雪道を走る楽しさを提案するというのも面白いのではないだろうか。
最後にゴジラ2.0の価格をお伝えしておくと、9万5000ユーロ(日本円で約1175万円)と、最新モデルのGT-Rのベーシックグレードとなるピュアエディションの新車(1082万8400円)より高い。
しかし、ゴジラ2.0が世界に1台しかないクルマとなることや、マルチパフォーマンススーパーカーであるGT-Rがオフロード走破性も備えた点も考えれば、価値に見合った納得できる価格と言えるのではないだろうか。
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