続々と新型車が投入され、活気に溢れる最新SUVだが、振り返れば、クロカンから火が付いた1990年代のRVブームの最中では、新ジャンルを切り開こうと、各社から個性溢れるSUVが続々と投入されたことが思い出される。
しかも当時は、クロカン色の強いタフなモデルから、なんちゃって仕様の街乗りSUVまで幅広い提案があり、どれもメーカーの開発者たちの遊び心が感じられたことが懐かしい。その姿勢が、スズキX-90のような型破りなクルマや、パジェロ兄弟などを生んだのだ。一見、華やかそうに見えて、実は堅実な現代では、こんなクルマは生まれない。
そんな熱気あふれた時代の英雄たちを振り返ってみよう!
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※本稿は2020年10月のものです
文/大音安弘、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』 2020年11月10日号
■いすゞ ミュー(1989年登場)
ビッグホーンの弟分となる若々しいキャラの3ドアクロカン。デビュー時は、ハードカバー付きのクーペスタイルが大きな話題となった。実用的なワゴン仕様やAT車、力強いディーゼルエンジンの採用など機能性を向上し支持層を拡大する。キャンバストップなどの華やかな外装と比べ、内装は地味だった。
■マツダ プロシードマービー(1991年登場)
1991年に、マツダがピックアップトラックを国内復活。そのワゴンがマービーだ。5mの大型ボディを活かした7人乗り仕様の本格派で、ワイルドなスタイルとタフなフレームを備えていた。
■日産 ラシーン(1994年登場)
パイクカーで一発当てた日産が企画したユニークなファミリークロスオーバーSUV。ドラえもんがCMを担当したことも話題に。今はカスタムベースとして大人気だ。
■日産 ミストラル(1994年登場)
都市にも似合う欧州風味の本格SUVとして’94年にデビュー。初代テラノをベースに、内外装デザインはイタリアの「イデア」が担当。欧州メインに開発されたモデルであり、欧州仕込みの足のよさも自慢であった。日本では、CMにピチカート・ファイヴが出演しお洒落感も演出。実は2ドア仕様もあった。
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