アイサイトXは驚異的
そして、いまやなくてはならない装備が、先進安全技術だ。レヴォーグにはアイサイト、カローラツーリングにはトヨタセーフティセンスが、標準搭載となる。
レヴォーグのアイサイトは、広角化したステレオカメラに加え、前後4つのレーダーを組み合わせることで360度センシングを実現している。スバルの報告では、アイサイト搭載車は非搭載車に比べ、追突事故発生率が84%減少したという。
また、さらなる運転支援機能を追加した「アイサイトX」が、グレード標準で選択可能だ(※価格は税込38.5万円相当)。ドライバーを常時モニタリングする「ドライバー異常時対応システム」まで搭載される。アイサイトXの機能を体験させていただいたが、クルマに守られている感覚を強く感じ、安心して乗っていられる。
対するカローラツーリングには、プリクラッシュセーフティシステムや、レーダークルーズコントロール、レーントレーシングサポート(LTA)など、現時点で装備しておきたい運転支援はおおむね標準装備となる。有料オプションとなるのは、ブラインドスポットモニター(BSM)程度であり、必要十分な先進安全装備を備えている。
両車とも、一般道を走行している限りは、ほぼ互角な先進安全機能を発揮する。だが、緊急時の自動停車にまで対応したレヴォーグの方が、2歩先に行く印象だ。最高水準の出来であるアイサイトXは、38.5万円と決して安くはないが、それを含めても税込400万円以下に収まるのは驚異的といえる。
「走りの質感の高さ」のレヴォーグか、「馴染みやすさ」のカローラツーリングか
レヴォーグの最大の魅力は、「走りの質感の高さ」だ。初代レヴォーグはハンドリング性能に定評があり、スポーツワゴンとして確固たる地位を築いてきた。
しかし新型は、初代のレベルを完全に凌いできた。具体的には、軽快なステアリングフィールと、小さなボディモーション、余計な振動の少なさ、そして低ロードノイズだ。
車体構造や、新採用の2ピニオン式電動パワーステアリング、サスジオメトリ改良、さらには新開発の1.8Lボクサー直噴ターボ(177ps/300Nm)と、新型リニアトロニックも貢献している。新型レヴォーグは、Dセグメントの輸入車と、対等以上に戦えるポテンシャルを手に入れている。
対するカローラツーリングの魅力は、「馴染みやすさ」だ。すべての配置が、長年、日本人が慣れ親しんできた位置にまとめられており、シートに座り、ステアリングホイールを握った瞬間から、自然とクルマに馴染む心地良さがある。
正直、あまりよくなかったカローラの走りも、TNGAによる基礎体力向上によって、Cセグメントの欧州車と比べられるほどのレベルまで、飛躍的に向上している。
1.2リッターターボ6速MT仕様があることも見逃せないポイントだ。ハイブリッド車はWLTCモード燃費で29.0km/L(S HYBRID 2WD)、ガソリン車でも14.6km/L(S 2WD)という、燃費の良さも魅力だ。
どういったところに価値を感じるかは、各ユーザーの嗜好であり、優劣をつけられるものではないが、クルマの質感や快適性などの「走り」においては、より上級のセグメントを目標としたレヴォーグが優勢といえる。
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