いまだに多い 信号待ちで「N」に入れる功と罪

走行中の「N」は、無意味を通り越して危険!!

 流れの良い道路で、Nレンジへ入れて惰性で走り続けたり、下り坂でNレンジに入れると、エンジンの回転数がアイドル回転数程度にまで落ちるので、燃費が良くなる、と考える方もいるようですが、むしろ、燃費は悪化しますし、それ以上に、大変危険な行為です。

 電子制御インジェクションのエンジンにおいて、アクセルペダルを戻しているのにエンジンの回転数が下がらない、もしくは下り坂などで回転数が上がるようなシーンでは、Dレンジでは、燃料カット制御が入りますので、見かけ上、数千rpmでエンジンが回転していたとしても、燃料消費はごくわずかであるのに対し、Nレンジでは、燃料カット制御が入らないため、無意味どころか、逆に燃費を悪化させてしまうのです。

 それだけでなく、エンジンブレーキが効かないため、エンブレによる減速操作ができません。長い坂道でのフットブレーキを多用するとフェードやべーパーロックが起きる可能性もあります。走行中はきちんと走行用レンジを使うべきです。

流れの良い道路で、Nレンジへ入れて惰性で走り続けたり、下り坂でNレンジに入れると、エンジンの回転数がアイドル回転数程度にまで落ちるので、燃費が良くなるというのは大きな間違い
流れの良い道路で、Nレンジへ入れて惰性で走り続けたり、下り坂でNレンジに入れると、エンジンの回転数がアイドル回転数程度にまで落ちるので、燃費が良くなるというのは大きな間違い

タクシー専用車には「N」でアイドルストップする機能が

 冒頭のタクシーの運転手さんの場合ですが、タクシーには、車両停止時にシフトレバーをNまたはPにするとエンジンが自動停止する、アイドリングストップ機構があり、燃料節約のため、という意味があるようです。クラウンコンフォートのようなタクシー専用車には備わっているようです。

 しかしながら、前述したように、一般的なクルマでは「ニュートラルアイドリング制御」のような技術もありますので「Nレンジを使うべきシーンは見当たらない」というのが結論です。

【画像ギャラリー】いろいろなクルマのシフトレバーをギャラリーでイッキ見!!

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