2021年1月15日、AUTECH(オーテック)ジャパンは、新生AUTECHブランドの7台目にあたる新型クロスオーバーSUV「キックAUTECH」を発表した。
AUTECHジャパンは、日産車をベースとしたカスタマイズカーをつくっているメーカーだ。かつては「ライダー」シリーズで人気を博したが、2018年ごろからブランドの理念を再構築し、「湘南のブルー」をテーマにしたボディカラーなど、ベースの日産車とは、ひと味違うデザインで注目を集めている。
今回は、鮮やかな「湘南ブルー」に彩られた新型車、キックスAUTECHの詳細をご紹介していく。
文:吉川賢一
写真:ベストカー編集部/撮影:平野学
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高品質感、特別感を感じるエクステリア
キックスがもともと持っていた若々しいデザインに、ピュアブラックのルーフとダークブルーのボディカラー、そして黒樹脂のガードの下にシルバーのラインが入ったことで、シャープさが加えられたデザインとなった、キックスAUTECH。
専用メタリック調フィニッシュの、フロントリップスポイラー、ボディサイドプロテクター、リアバンパーまでつながったシルバーのラインは、海の波打ち際で見られる「さざ波」をイメージしているそうで、AUTECH車共通のアイデンティティだ。
フロントバンパーに埋め込まれたブルーの専用シグネチャーLEDと、ドットパターンが入ったフィニッシャーも特徴的だ。ちなみにこのドットパターンは、海面に反射する太陽光を表した模様とのこと、なんともおしゃれな演出だ。
足元には、ダークメタリックペイントの専用17インチアルミホイールを装着しており、足元をぐっと引き締めている。
ちなみに、サスペンションのダンパー特性やコイルスプリングに関しては、ベース車の乗り心地やハンドリングが高いレベルで仕上がっているため、変更はしなかったそうだ。おそらく、「走り」に特化した仕様は、NISMOによって実現されていくのだろう。
手の込んだ作りこみがなされた専用インテリア
キックスAUTECHのインテリアには、ブラックとブルーの本革が使用されている専用ステアリングホイールを始めとして、ダッシュボードにもブルーのステッチが施されるなど、専用ブルーとブラックの組み合わせが多用されており、おしゃれな雰囲気となっている。ベース車と比べて、遥かにジェントルで落ち着いた印象だ。
レザレット(合皮)シートも、専用ブルーとブラックで彩られており、波目のような模様のシートクッションは、本革シートに比べて柔らかく、表面は「もちもち」とした触感がある。
サポート性も高く、身体が「スポッ」とハマるような印象があり、使い込んでいくほど馴染んでゆく本革シートとは違って、最初から身体にフィットする。やさしさすら感じる良いシートだ。
またAUTECHロゴの入った、ブルーのフロアマットやラゲッジマットなども用意されており、これらを取り入れることで、車内の雰囲気をさらに、AUTECHの世界観で統一することができるだろう。
意外にも「日産車との喰い合い」はそれほどない
AUTECHジャパンによると、AUTECHブランド車への乗り換え需要は、セレナやエクストレイルは上級車種(LクラスセダンやミドルクラスSUV)からのダウンサイジングが多く、ノートやリーフは輸入車(MクラスセダンやCセグハッチバック)からの乗り換えが多いという。
日産圏内で喰い合いが起きているわけではなく、AUTECHブランドには、外部からの乗り換えを呼び込むだけの、「強い魅力」があることを示しているといえる。
後からカスタムするよりも、遥かにリーズナブル
販売は1グレード(2WD)のみ、車両本体価格は税込311万4100円。ベースとなるキックスの「X」グレード(275万9900円)に対し、35万4200円高い値付けとなる。
専用のエクステリアとインテリアパーツに加えて、キックス専用の17インチアルミホイールが含まれると考えれれば、後からカスタムしていくよりもはるかにリーズナブルであり、なおかつ、特別仕様を所有する満足度も高い。
キックスAUTECHは、ベース車キックスのフットワークの良さと上質な走り、そして、高品質なカスタマイズカーが好きな方には、ぜひともお勧めしたい一台だ。発売開始は2021年3月3日からの予定だ。