しつこいけど言いたい 欧州マイクラ カッコいいのになぜ入れない??

さらに、スポーツコンパクトへと進化!!

 K13マーチよりも、全幅を拡大しつつ全高を低くしたことで、ワイドアンドロ―なスタイルを手に入れた。ボディサイズは、K13に対して全幅が78mm拡大されて1743mmとなり、ノートの1695mmよりもずっとワイドとなっている。ちなみに、VWポロやルノークリオといったライバルも1750mmと、欧州ではBセグメントのコンパクトカーもこのくらいの全幅だ。

 全高も1455mmと、K13に対して60mmも低くなり、低く構えたようなスタイリングとなった。「これぞスポーツコンパクト」といったスタイリングで、日本のクルマ好きにも大いに受け入れられるであろう。

リアのスタイリングも新鮮 Cピラー周りのデザインは、ZE1リーフや新型キャシュカイにも似た形状だ
リアのスタイリングも新鮮 Cピラー周りのデザインは、ZE1リーフや新型キャシュカイにも似た形状だ

 エンジンは、排気量1.0リッターの直列3気筒ターボ。100ps/160Nmの「IG-T 100」と、117ps/200Nmの「DIG-T 117」だ。前者には5速MTもしくはCVT、後者には6速MTが用意されている。燃費は、44~52.1 mpg(15.6~18.4m/L)、CO2排出量は123~145g/kmと、2021年のCAFE規制(95g/km)に対しては未達のため、今後、パワートレインの見直しが入る可能性が高い。

 ちなみに、英国価格は、13,995ユーロ(エントリーグレードVISIA+)から19,045ユーロ(最上級グレードTEKNA)、日本円だと182~247万円ほどだ。仮に、日本導入となった場合は、関税や輸送コストなどで、さらに高くなることになる。

スポーツモデルのN-Sportには、ブラックカーボンの外装パーツ、17インチタイヤホイール、合成皮革シート、リアビューカメラ、リアパーキングセンサーなどを搭載する
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国内にマーチは必要でもマイクラは必要ではない

 これほど魅力的なK14マイクラだが、残念ながら日本登場の可能性は限りなく低い。「元マーチ」であるマイクラではあるが、ヒエラルキーはノートと同等以上であり、すでにマーチとは別の道を歩み始めたマイクラには、マーチの役割は果たせない。

日産の販売ラインアップのなかで、かつてのマーチの役割を担っているのは軽自動車のデイズとルークス どちらもヒットしているが、軽自動車だけに車両価格や維持費(つまり販売店の売上)が比較的安価であることや、ほかの日産車へのステップアップが期待できるかどうかがポイントか
日産の販売ラインアップのなかで、かつてのマーチの役割を担っているのは軽自動車のデイズとルークス どちらもヒットしているが、軽自動車だけに車両価格や維持費(つまり販売店の売上)が比較的安価であることや、ほかの日産車へのステップアップが期待できるかどうかがポイントか

 マイクラは、国内導入してほしいクルマではあるが、日産の国内ラインアップを考えたとき、マイクラでは、日産車内で喰い合いが起きてしまう。それよりも、これまでの「マーチ」のような、Aセグメントの超コンパクトカーがほしいところだろう(ルノー・トゥインゴのプラットフォームで作れないだろうか)。トヨタヤリスに真正面から、ぶつかっていってほしい。

マーチの穴を埋めるには、マイクラではダメ ボディサイズは維持したコンパクトカーが欲しいところだ
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ルノートゥインゴをOEMして新型マーチとして売るのはどうだろうか? RRのマーチというのは面白いと思う!!
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 また欧州生産のため、ロジスティック分で価格アップすることも懸念点だ。1.0リッターガソリンエンジンのみのモデルが300万円弱にもなることが予想され、もし仮に、そこにe-POWERでも搭載されようものならば、320万円オーバーにもなるはず。BMW1シリーズもみえてくる価格帯だ。残念ながら、K14 マイクラを日本へ導入することは、難しいだろう。

 このマイクラのように、日産の海外専売モデルには、カッコいいものが多く、日本導入を熱望されているクルマは他にもある。可能性は低いが、これらのクルマをオーテックが輸入して日本仕向けに改装して販売するような、ドラスティックな手段もあってほしいと思う。日産が、一気に盛り返そうとしているいまこそ、そのタイミングだ。

【画像ギャラリー】日本のコンパクトカーの名門!! 日産マーチの歴代モデルを写真で振り返る

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