■UBEブルーの再現にもこだわりが!
――箱からはみ出る規格外のサイズにも驚きですが、他にこだわりはありますか?
「本商品ではUBEブルーの再現についてもこだわりました。宇部興産様によると『UBEブルー』は事業所ごとに少しずつ色が違うとのお話を頂きました。今回トミカで再現したUBEブルーは、宇部興産様よりカラーチップを取り寄せ制作しております。
また、トラックなどのトミカの構成では、通常シャシーに亜鉛合金を使用し、その上にくる部分(例えばコンテナ等)には別の材質を使用する事が多いのですが、本商品においてはキャビン部分の色とトレーラー部分の色を繋げた時に違和感がないよう、コンテナ部分も同じく亜鉛合金を使用しています。
逆にシャシーを別の素材にしており、(通常の構成とは逆の作り)UBEブルーを再現しました。結果として、今までにない重量感が出たこともあり、手に取った時に「トミカ」らしい重量感を感じられる商品となりました」
サイズも凄いが、UBEブルーの再現やトミカ本体の素材に関しても深いこだわりがあったのだ。
ところで、興産道路を走るダブルストレーラーには以下の4種類ある。
●ケンワース T609型・T610型 600馬力 排気量15L 18速マニュアルトランスミッション
●いすゞ GIGA EXZ52CK-XRR-M改 520馬力 排気量15.7L 16段マニュアルトランスミッション
●スカニア R580・R650 LA6X4HSZ 580馬力・650馬力(V型8気筒 16L ポスト新長期対応エンジン搭載、フロント・リアリーフサスペンション、2ペダル スカニアオプティクルーズ*12段OD自動変速機能付トランスミッション、スカニア流体式リターダ、第5輪荷重 25,000kg)をベースにホイールベースを3300mmまで延長した宇部興産向けの専用仕様
●ボルボ FH64 520馬力 排気量12.8L 12段オートマチックトランスミッション
※上記4車種以外にかつては三菱ふそう:FV50L型が存在していたが約15年前に三菱ふそう社からの新車が供給停止している(メーカー撤退による)。
この中で、トミカとして採用されたのはいすゞGIGAである。これにはどのような理由があるのか聞いてみたところ、
「子どもたちにより親しみを感じていただくため、街でよく見かける車両をセレクトしました」(タカラトミー広報担当者)
とのことだった。確かに「街でよく見かける車両」であることは、トミカ化されるうえで重要な要素のひとつである。
いすゞGIGAが選ばれたのは実にトミカらしい理由だった。
■宇部興産に聞いてみたアツい想いとは!
それでは最後に宇部興産側の「こだわり」について聞いてみた。
――当初はノベルティとして作られるお考えがあったのですね
「宇部興産道路の見学にお越しいただいたお客様にお土産として差し上げられるような、当社ならではのノベルティとして、ダブルストレーラーをモチーフにしたミニカーがほしい! という声は以前から社内外から多く寄せられておりました。
そこで、タカラトミー様にご相談したところ、すでにダブルストレーラーを商品化する計画がおありだと伺った次第です」
――一番のこだわりはどんなところでしょうか?
「トミカ化していただく際は、なにより特徴的なこの「UBEブルー」をできるだけ忠実に再現していただけるようお願いしました。
UBEブルーは全国各地にある宇部興産の事業所ごとに少しずつ色が違うのですが、この色は会社として公式に制定した色ではなく、コンクリートミキサー車などの車両に慣例的に使用されているものです。
したがって、PANTONEなどの色指定は存在せず、それぞれの事業所が持っている色見本をもとに塗装しているため少しずつ色が異なっていると思われます」
――UBEブルー以外にこだわった点はありますか?
「ダブルストレーラーには『UBE』のロゴが入っています。実はこの『UBE』の文字の配置がとても重要で、ミニカーにした時に実車っぽく見えるかどうか。文字の配置によって大きく左右されるのです。
そこで、『UBE』の配置を決めるときには、日ごろからダブルストレーラーを見ている現場の責任者が何度も確認し、細かく配置や文字のサイズなどを指定させていただきました。そして、実車の雰囲気を忠実に再現したトミカに仕上げていただくことができました」
企画からトミカ完成まで1年以上を掛けた名実ともに大作のトミカ。ぜひ手に取ってその規格外のサイズや重量感、UBEブルーの色やロゴの配置などにこだわりを感じてみてほしい。
※「UBEブルー」はダブルストレーラーの車体色と共に、企業ロゴ【UBE】に使用されるブルーを意味しています。
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