工事現場で使う土・砂利・砕石の運搬を行なう「ダンプトラック」は単車が主流。なかでもGVW20t級・ホイールベース4.5m級の6×4シャシーをベースとする通称「10tダンプ」の台数が圧倒的に多く、一般道でも見かける機会が多い。
いっぽう、高速道路に目を向けると、最近はトラクタに引っ張られるタイプの「ダンプトレーラ」も増えてきた。
ダンプトレーラはGVW36t級の3軸車の場合、10tダンプ3台分に迫る最大積載量28000kg前後を確保可能。ドライバー1名で2~3名分の積み荷が運べることから、ダンプ業界のドライバー不足解消に期待が寄せられている。
そんなダンプトレーラのニューモデルが、昨年、大手メーカー3社から相次いで発売された。いずれもGVW36t級の3軸ダンプトレーラだが、各社とも異なるアプローチで高スペックを実現している点は興味深い。ここではそんな各社の新型ダンプトレーラの特徴を紹介しよう。
文・写真/フルロード編集部
※2020年9月発売トラックマガジン「フルロード」第38号より
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■積載量アップと強度・耐久性を両立! 国産初のGVW36t級アルミダンプトレーラ 小平産業のフラッツモール型アルミダンプトレーラ「KDAR315CAG」
小平産業は昨年1月、フラッツモール型アルミダンプトレーラの新機種「KDAR315CAG(GVW36t/最大積載量28000kg)」を発売した。
新機種はユーザーからの「スチールボディと同等の強度・耐久性を保持しながら、スチールボディより積載量を取りたい」という要望に応えるため開発された3軸ダンプトレーラ。GVW36tのアルミダンプトレーラは国産初という。
最大の特徴であるアルミボディは、側面に縦・横のスチフナ(補強柱)を入れて強度・耐久性をアップ。さらにアルミの化粧板を被せた二重構造とし、長く使っても美しい外観を保てるよう工夫しているのが特徴。
板厚はフロア/リアが6mm、フロント/サイドが4mmで、フロアには積み荷によるボディの摩耗を軽減する耐摩耗ゴムを装着。それでもスチールボディに比べ約1200kgの軽量化を果たし、最大積載量28000kgを実現している。
ダンプ装置はホイスト式を採用。シリンダーは高積載ロングボディトレーラ向けの「MH19TL」を搭載。足回りは軽量なヘンドリクソン社製のROC(横転抑止装置)付EBS(電子制御式ブレーキ)車軸(エアサス・リフトアクスル・ワイドシングル)を採用。1軸あたり150kgの軽量化を実現する。
フェンダー、サイドバンパー、テールランプ、手洗水タンクなどは欧州パーツの販売・取り付けで知られるセノプロ・トラックスとコラボレーション。トラクタとともにカスタムされた外装デザインにも注目だ。
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