“カエル顔”へのチェンジには成功したが…… 「日産 マーチ」
日産が1982年にリリースしたコンパクトカーのマーチは、当時の同社ラインナップにはなかったリッターカーとして開発されていた。実用性を重視するこのクラスのクルマらしく、初代マーチでは各部に堅実な構成を採用し、著名デザイナーのジウジアーロが基本デザインを担当した外見も奇をてらわないコンサバティブなものだった。
初代マーチは好評によるロングセラーモデルになり、1992年に2代目が登場するまで、10年に渡って生産が続けられた。そして登場した2代目マーチは初代に比べて丸みが増え、女性ドライバーへの訴求力がアップ。こちらもまた好セールスを記録している。
3代目マーチの登場は2002年だったが、この3代目ではモデルの外見が大きく変更されていた。ルーフを含めてさらにボディ全体がラウンド化されるとともに、ヘッドライトの位置と形状が大幅に変わり、より愛嬌のあるフォルムへと生まれ変わっていたのだ。
先代が好調だったのにもかかわらず大きく意匠を変更した日産の決断は吉と出て、3代目マーチの初年度売り上げは目標を上回り、街中で“カエル顔”のマーチを見かける機会も一気に増えた。
マーチのモデルチェンジサイクルは国産車にしては長めで、4代目の登場は2010年になった。しかしこの4代目はデザインを含めて全体的に不評であり、販売成績は低迷してしまった。そのため欧州向けモデルは2017年に早くもモデルチェンジを行っているが、国内での販売はなし。それどころかシリーズ終了のウワサも流れている。マーチの未来は果たして?
コロコロ変わる顔つきにユーザーも困惑? 「スバル インプレッサ」
スバルが販売する4ドアセダン&5ドアハッチバックのインプレッサは、1992年発売の初代モデルから4WD仕様をラインナップし、世界ラリー選手権でも活躍するなど、スポーツ志向の強いモデルとして知られている。そのインプレッサも、2000~2007年に販売されていた2代目では、わずかな期間に複数回のフェイスリフトを実施している。
最初に登場した2代目インプレッサは通称「丸目」で、その名のとおり丸形のヘッドライトが見た目のアクセントになっていた。しかしこれは不評だったようで、2002年には横に長い「涙目」形状に変更されている。
この涙目にも賛否両論があり、2005年には再びフェイスリフトが行われた。今度の通称は「鷹目」。これはユーザーにも受け入れられ、2007年のモデルチェンジでは鷹目の意匠が引き継がれた。
現行のインプレッサは5代目にあたり、他のスバル車と共通した顔つきが与えられている。
美容整形と言うにはあまりにダイナミック 「三菱 デリカD:5」
三菱自動車のデリカは歴史のあるSUV・ミニバンであり、すでに50年を超える歴史を誇っている。そのデリカには商用車を含む多数のバリエーションがあるが、D:5(ディーファイブ)は乗用ミニバンのオールラウンダーだ。
D:5の現行モデルが発売されたのは2007年。以降はマイナーチェンジを繰り返して現在に至っているが、ディーゼルエンジン搭載車に関しては改良を加えたビッグマイナーチェンジの新型が2019年に登場している。そしてその新型が驚くべき変貌を遂げていたのだ。
新型デリカD:5には三菱が推し進める「ダイナミックシールド」が採用され、大胆なフェイスリフトが施された。その顔つきは迫力満点で、ビッグマイナーチェンジとは思えないほど大きく変化していた。
さすがにここまでの大きな変更には戸惑う声も聞かれたため、これまでのデリカがいいというユーザーに向けて、ガソリンエンジンモデルはフェイスリフトされず従来型のまま継続販売された。しかし2019年をもってガソリン仕様の販売は終了している。デリカD:5の大変身がどのように評価されるのか、結論が出るのはもう少し未来のことになるだろう。
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