フェイスリフトは恒例行事? 「トヨタ セリカ」
クルマがモデルチェンジを行う際に、先代のイメージを引き継ぐケースと、大幅に見た目を変えてくるケースの両方がある。成功した車種のモデルチェンジでは前作を踏襲するのが手堅い戦略で、販売が振るわなかったモデルは大幅なテコ入れを行うことが多い。だが、トヨタが販売していたスポーティモデルのセリカは、販売のいかんに関わらずモデルチェンジごとにその顔つきを変えていた。
初代モデルは「ダルマセリカ」と呼ばれるルックスであったが、1970年登場のモデルとしては十分に先進的であり、現在でもデザインを評価する声は多い。しかし1977年のモデルチェンジでは大胆な変更を行い、1981年発売の3代目も先代&先々代とは大きくイメージを変えている。
4代目は開閉式リトラクタブルライトの採用などでまたしてもデザインが変わり、5代目でようやく4代目の正常進化版といった出で立ちに落ち着いた。しかし6代目では丸目4灯フェイスに変貌し、シリーズ最後になった7代目でも大幅にフォルムが変更されている。
こうした変化の歴史もあって、クルマ好きなら実車や写真を見ただけで何代目のセリカか当てられるほど各世代の違いは大きい。これが果たして販売戦略として正しかったかどうかは不明だが、セリカの歴史がフェイスリフトの歴史であるのも間違いない。
美容整形じゃなくてダイエットで目標を達成 「ホンダ インサイト」
美しくなる方法は美容整形だけじゃない。ダイエットもまた見た目に気を使う人には要注目のトピックだ。しかし、クルマのダイエットとなると少々事情は変わってくる。
クルマのダイエット(=軽量化)は、加速性能や運動性能を高めると同時に、燃料消費量を減らすことにも貢献してくれる。そのため、市販車であっても安全性などの必要な要素を満たしたうえで軽量化が行われているが、1999年にデビューしたホンダ初の量産型ハイブリッドカー・インサイトは、目標の燃費性能実現に向けて涙ぐましいまでのダイエットが行われたのだ。
インサイトは先行して販売されたトヨタのプリウスを燃費性能で上回るため、オールアルミ製モノコックを採用し、ボディにもアルミとプラスチックを使用。シートは運転席と助手席のみにするなど、極端なダイエットを行ったことにより、重量のあるバッテリーを搭載しながら820kgという車重に仕上げられた。
徹底的なダイエットも奏功し、インサイトの燃費は当時の量産車最高となる35km/L(10・15モード)を達成した。しかし、2シーターにしたことなどで実用性が低下し、初代インサイトの販売成績は低迷してしまった。「ダイエットもほどほどに」とは人間に対してよく言われることだが、クルマに関してもこれは当てはまりそうだ。
さすがにホンダでもやりすぎを反省したのか、2009年登場の2代目インサイトは、サイズこそ5ナンバーのままだったが5ドアハッチバックスタイルに変更。アルミ製モノコックをやめて、ホンダ製他モデルと共通パーツを多数採用してコストダウンを実現した。強烈な個性こそなくなったが、普通のクルマに近づいたインサイトは市場でも歓迎された。
商品でもあるクルマが美を追求するのはある意味必須。そのための美容整形(フェイスリフト)も度々行われている。今回は美容整形が成功した例を中心に紹介したが、いつも成功するとは限らないのが難しいところだ。
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