クルマを開発するにあたって、まずはサイズや機能を考慮し、そのうえでルックスを良くするためにエクステリアを造形する。しかし商品でもある市販車でユーザーが最初に目にするのがその外見であるのも事実。ここでしくじってしまったクルマの販売台数はやはり伸びない。そこでメーカーでは、売り上げを増やすことを目的にしばしばクルマの“美容整形”を断行する。
今回は美容整形がうまくいったクルマを筆頭に、微妙な結果に終わったモデルも見ていくことにしたい。
文/長谷川 敦、写真/トヨタ、日産、スバル、三菱、FavCars.com
【画像ギャラリー】美容整形が功を奏したクルマたちをもっと見る!(14枚)画像ギャラリーフェイスリフト=美容整形で合ってる?
クルマのマイナーチェンジなどで、その顔つきを変えることを「フェイスリフト」と呼んでいる。実はこのフェイスリフトを日本語に訳すと「美容整形」になるのだ。ただしフェイスリフトには「改築」や「模様替え」などといった意味もある。
つまりフェイスリフトを行ったクルマは美容整形済みと言っても差し支えはない。マイナーチェンジだけでなく、フルモデルチェンジの際に大きく意匠を変えたクルマもフェイスリフトされたと言えるだろう。では、どんなクルマが美容整形で成功したのだろうか?
ソフト化路線で不評を跳ね返す 「トヨタ プリウス」
世界初の量産型ハイブリッドカーとして1997年に登場したトヨタのプリウスも、現行型で数えて4代目。だが、この4代目が登場した時は、その顔つきを巡って賛否両論の意見が飛び交った。
2015年に発表された4代目プリウスは、先代のイメージを大きく覆す攻撃的なスタイルでデビューした。基本的なラインは先代を踏襲するものの、ヘッドライト回りのデザインを大きく変え、シャープな印象を強調していた。
この大胆なデザイン変更は一部で評価されたが、「歌舞伎顔」とも揶揄され、実際に先代までのような販売台数を記録できなかった。この事態を重く見たトヨタは2018年のマイナーチェンジでフェイスリフトを実行した。
それまでエッジの効いた縦基調のヘッド&テールライトを変更し、上品な顔つきになって登場したマイナーチェンジ版は市場からも受け入れられ、再び販売台数を伸ばすことに成功した。人気にあぐらをかかず、思い切ったデザインに挑戦したトヨタの姿勢は評価できるが、やはりやりすぎはダメということか。
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