いち早くグローバルに展開! 世界で愛されたダットサン
ダットサンは、1930年代からアジア、中南米などに向けて輸出を開始。その後1950年代中盤から北米への輸出が本格化し、1960年に米国日産が設立された。この躍進を支えたのが初代米国日産社長を務めた片山 豊(かたやま ゆたか)である。
彼はアメリカで日産のブランド力を高めるには、本格スポーツカーの販売が必須だと考えた。そして1969年、前年に日本で発売されたフェアレディZを輸出用に改良し、ダットサン240Zの名で発表、販売を開始した。
当時、ポルシェの911が約1万ドルであったのに対し、ダットサン 240Zは約3600ドルで販売。洗練されたデザインで、性能もポルシェに勝るとも劣らず、さらに低価格だったダットサン 240Zは空前の大ヒット。2019年末に6代目マスタングにその座を奪われるまで、アメリカで最も売れたスポーツカーとして歴史に名を残した。
ダットサンの消滅と復活、そしてさらなる撤退の背景
しかし、1980年代になると、企業名でもある「日産」ブランドを刷新し、それに一本化するため、ダットサンブランドは廃止に。唯一「ダットサントラック」が車名としてしばらくその名を残していたが、2002年の排出ガス規制で販売を終了したことで、ダットサンは世界から一時消滅することとなった。
その後、2012年にカルロス・ゴーンによって、「ダットサンは日産のDNAの重要な一部」としてインドやインドネシア、アフリカといった新興国向けに低燃費・低価格ブランドとして復活させたものの、2016年の世界販売台数約8万7000台をピークに低迷。EV車の開発やコアモデルへの注力など構造改革の進展もあり、2022年4月、100年超の歴史に幕を閉じることが発表された。
ダットサンは日産の代表的ブランドの始祖的存在
100年以上の歴史を持つダットサンは、そのブランドの名のもとに、多くの名車が販売された。日産の代表格として長く愛されたサニーシリーズはもちろん、サニーの上級ブランドとして北米を中心に流行したブルーバード、そして1935年に初代モデルが発売され、トヨタのハイラックスとともに小型商用車としてダットサントラック(通称ダットラ)など、用途もデザインも実にさまざまだ。
ダットサンブランドで販売された主な車種
・ダットサン11型~17型/D22型
・ダットサントラック 1121型/2124型/3135型/4146型/5147型/6147型/320型/520型/620型/720型/D21型
・ダットサン乗用車 DA型/DB型/DS型/110型/120型
・ダットサンスポーツ DC3型
・ダットサン1000セダン 210型
・ダットサン1000トラック 220型
・ダットサンキャブライト A20型/A120型/A220型
・ダットサンスポーツ S211型
・ダットサンブルーバード 310型/410型/510型/U 610型/810型/910型
・ダットサンフェアレディ SPL212型 輸出専用車/ SP310型
・ダットサンサニー B10型/B110型/B210型/B310型
・ダットサンサニートラック B20型/B120型
・ダットサンキャブスター A320型
・ダットサンサニーキャブ C20型・ダットサンADバン VB11型
・ダットサンGO/GO+/on(オン)-DO(ドー)
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