■プリウス(マイナーチェンジ前)
村上隆氏のポップアートである。顔は歌舞伎、お尻はブレードランナー。前衛なのである。あまりにも前衛すぎ、自己主張が強すぎて、多くの人には受け入れられなかった。マイナーチェンジによって自己主張を抑えた結果、毒にも薬にもならない退屈なデザインに回帰した。
■キーンルック全般(ヴィッツ、カローラスポーツ、エスティマ、マークX、MIRAIなど)
韓流スター予備軍である。「スター」まで行っているものはまだないが、とにかくカッコよくなろうと努力している。ただ、それがカラ回りしている場合も少なくない。
■トヨタ車のなかでも「いいデザイン」は?
では逆に、現行トヨタ車の中で、私が考える「正統派のいいデザイン」にはどんなものがあるか。
〇シエンタ
シトロエンを発展させたようなフロントフェイスをはじめ、全体に統一されたポップなデザインが、楽しい生活を予感させてくれる。パッケージングも実に優れている。
〇センチュリー
超レトロで時代遅れなデザインテーマをしっかり生かしつつ、モダンに仕上げているところが凄い。歴代センチュリーの中で、最もデザインが完成されている。もともとチョンマゲのようなデザインだったのだから、その手腕は見事。
〇C-HR
これもクルマ好きの間ではあまり評判がよくないが、それは先進的なデザインである証し。攻殻機動隊を思わせるアニメ的な彫の深いデザインは、やりすぎなくらいデザイン優先だが、全体のバランスが非常にイイ。しかもこの挑戦的なデザインが、国内で売れに売れているのだからスバラシイ。
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