カローラスポーツ、アルファードなどから、トヨタのデザイン論をひも解く デザインは本当によくないのか?

■トヨタのなかでも「よくないデザイン」

では逆に、現行トヨタ車の中で、私が考える「正統派にダメなデザイン」はどれか。

●ヴィッツ 顔のキーンルックはともかく、リヤは踏ん張り感を出そうとするあまり、意味のないほうれい線が描かれ、拡大されたテールランプとのバランスも悪い。

現行型ヴィッツは2010年12月デビュー。今年フルモデルチェンジ予定で「ヤリス」と改名される

●パッソ とにかく安物なデザイン。これでは中韓車にも大敗する。

2016年4月デビューの現行型パッソ

●スペイド/ポルテ イイ人なんだけどモテない草食男。

現行型ポルテ。2015年7月登場。助手席側スライドドアを持ち、使い勝手は高い

●プレミオ/アリオン 驚くほどほど古臭いクラウンもどき。

現行型のプレミオ、登場はなんと2007年10月。細かく改良を重ねているとはいえ、さすがに基本設計が古くなっているのでは

●カローラアクシオ/フィールダー マイチェンで顔の迫力を出してなんとかごまかしたが、モテない浪人生なフォルムまでは変えられなかった。フルチェンジが待ち遠しい。

現行型カローラアクシオ。こちらも古くて登場は2006年10月。今年中にフルモデルチェンジ予定

●ハイラックス フォルムもディテールも大味な曲線の連続で、バランスが悪い。本物のアメ車より大味。

現行ハイラックス、発表は2015年5月だが、日本仕様発売は2017年9月から

●ハリアー 表面の厚化粧に、「たくらみ」がかいま見えるデザイン。

現行型ハリアーは2013年12月発売の3代目。プレミアムSUVの嚆矢として現在も順調に売れている

●ランクルプラド 古き悪しきトヨタデザインがそのまま生きている。顔は昔のクラウン的。フォルムにデリカシーが感じられない。頑丈そうではあるが。

現行型ランドクルーザープラドは2009年9月発売

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 こうして改めて書き出してみると、いいデザインよりダメなデザインのほうがずっと多いことに愕然とする。

しかしトヨタデザインは、全体的には明らかにいい方向に向かっている。その象徴が次期カローラだ。かつてのカローラの退屈なデザインを思い浮かべれば、そのカイゼンぶりは一目瞭然。今後も失敗を恐れず、挑戦を続けてほしい。

2019年内に日本市場で正式発表される新型カローラセダン(写真は先行発表された中国仕様)

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