【愛すべき日本の珍車と珍技術】 夢を現実化したWiLL Viの誕生は現代のおとぎ話?

■今後の中古車市場で注目の一台になるか!?

 2001年には当時次々に採用されていた衝突安全ボディがいよいよWiLL Viにも採用され、デュアルエアバッグやブレーキアシスト、EBD付きABSなど安全装備も本格的に搭載される。外観が個性が強いものの、このように中身はしっかり基本をおさえているところがトヨタの信頼性の高さにつながっているのだろう。

 そしていよいよ本格的に売れるかと思いきや、2001年には生産終了となった。つまり販売されていたのは、2000年と2001年の約2年間のみ。

 ブランドの特性もあり、次の「WiLL」シリーズであるVSに切り替えなくてはならなかったのかもしれないが、デザインで思いっきりチャレンジしたクルマは刹那的な最後を迎えてしまった。

 現在、中古車情報サイトなどをのぞいてみても、流通しているのは日本全国でわずかに30台程度。100万円以下で買えるとはいえ、コンディションのいい物件を探すのはひと苦労だろう。

 とはいえ、日産のパイクカーに匹敵するほどカルトでファニーな、まるで日本車らしくないクルマである。いつ人気が沸騰してもおかしくないのではないだろうか。

ブラウンやベージュを使った優しい色使いのインテリア。センターメーターや収納で使いやすさも高い
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