ポイントの抑え方がツウ過ぎる!!　クロストレックBOOST GEAR コンセプトが「ガチ仕様」の理由

　東京オートサロン2023でスバルから発表された「クロストレックBOOST GEAR」。どうにもこうにも「流行り」にとどまらないコンセプトカーだと思っていたが、その理由は実は開発者の「ガチ」なアウトドア好きが響いていた!!

文：ベストカーWeb編集部／写真：成田颯一

■自転車も本気で乗り倒したい

　近年多くの自動車メーカーが「アウトドアコンセプト」を出展する傾向がある。もちろんトレンドをつかんでのものだし、そのコンセプトカー自体は間違っていない。

　ただなんというか「アウトドアってこんな感じでしょ？」みたいなクルマが多く、少なからずアウトドアをたしなむ担当編集としては、わきの甘さというか詰めの甘さを垣間見てゲンナリすることが多い。

　そんななか、スバルが東京オートサロンに出展した「クロストレック ブーストギア」がこうグッときて気になっていた。今回はトーヨータイヤからお誘いを受けてなんと群馬県太田のスバル太田工場にて実車を拝見する機会を得た。

　デザイナーの須崎兼則さんがもうなんというか、スバルらしくないさわやかさ（ちょっと失礼でごめんなさい）。須崎さんのお姿を見てもらえばわかるが、すごく爽やかで「オシャキャン」もできそうだし、武骨系キャンプもできそうだし、懐の深そうな「ホンモノ」なアウトドア好きってのがわかる。

「自転車が趣味で……」というデザイナーさんは多いが、キャリアに搭載されたバイク（自転車のことをガチ勢はこう言う）はカリフォルニアが本拠地の「スペシャライズド」のもの。

　スペシャライズドはガチ勢じゃないと出てこないブランドなのよ。広告代理店の「こんな感じっすかね～」では出てこない。こんな素敵なセンスの人が作り上げるコンセプトカーは素敵じゃないわけない!!

■随所にみられるこだわりはスバルの哲学を貫き通す

　スバルは安心安全をモットーにしているブランドだが、コンセプトカーとはいえ、公道に出せないような突起物を設定しているわけではない。

　一見すると「これはやばいんじゃ」と思われるフェンダー上のウェアラブルカメラを取り付けられるバーも、バーの先端の角度を丸めることでなんと車検対応にもなっているという。

　このあたりはやっぱり「なんちゃって」なアウトドア仕様とは一線を画す作りこみとなっている。もちろん単なるコンセプトカーどまりではなく、実際に製品化されているパーツも含まれている。

　スバルらしくラリーやモータスポーツからのフィードバックと合わせて、エンジニアやデザイナーの個性がギュッと詰め合わせられている。

　担当が個人的にほれ込んだのがボンネット先端の「フロントノーズガーニッシュ」。これがまた硬質ゴムでできているのだけど、絶妙な凸凹加工で滑り止めにもなる。例えばスキー場でスノーボードを立てかけておくとか、実用性も考えられているのが素敵。

　さらにオプションのフロントグリルもいい。担当が「これってなんかクラシカルだけどいいですよね～」と聞いてみたところ……。

「そう!!　嬉しいなぁー!!　クロストレック純正グリルもかっこいいのですが、やっぱり旧来からのファンの皆さんにも刺さるグリルがほしくて。まさに狙い通りのコメントでした（笑）」。

　今後クロストレックはますます進化しそうだ。

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