普通免許で乗れる特殊車両の世界

コイツに乗ればオトコになれる! ミニホイールローダー

パーキングブレーキはなんと乗用車顔負けの電動式!オプションのキャブを装着すれば、天気が悪くても濡れずに走行や作業ができる
パーキングブレーキはなんと乗用車顔負けの電動式!オプションのキャブを装着すれば、天気が悪くても濡れずに走行や作業ができる

 工事現場などで土や砂利をすくうショベルカーのなかで、タイヤで走行するものがホイールローダーだ。ホイールローダーも小型特殊の枠に入る小型のものでナンバーを取得していれば普通免許での公道走行が可能となる(作業をする際には、小型車両系建設機械特別教育を受講し、運転資格を取得しなければならない)。

 日立建機のZW20は環境性能や静粛性に優れた市街地や夜間作業に向くホイールローダーだ。操作性や快適性にも優れ、除雪や農畜産にも使える多用途性も備えており、幅広い使い方ができる。

  • 日立建機ミニホイールローダーZW20
  • 価格=477万3600円
  • 問・日立建機

目立たぬところで路面をお掃除 路面清掃車

夜に黙々と働く姿には敬意を表したい
夜に黙々と働く姿には敬意を表したい

 路面清掃車は文字どおり、路面を清掃するクルマ。夜の公道や走行時間終了後のサーキットなどで目にしたこともあるだろう。路面清掃車は普通のトラックと同じ扱い、つまり最大積載量が自分の免許の範囲に入っていれば公道での運転が可能だ。路面清掃車は舞い上がらせたゴミや埃をタンクに吸い込むことで路面を清掃している。

 豊和工業のストリートスイーパーHF78Hは左側ギリギリに寄せて走らなければならない公道の路面清掃の用途のため、左側に寄せて走らせやすい左ハンドル車もラインナップされており、働くクルマに求められるニーズの広さを知ることができる。

  • 豊和工業ストリート スイーパーHF78H
  • 価格=2257万2000円
  • 問・販売元=英和

小さなボディで重量物を運ぶ力持ち フォークリフト

フォークリフトは4輪が操舵するものもあるが、後輪が操舵するものが基本なので、運転には慣れが必要。最近はEV仕様も増えつつあるという
フォークリフトは4輪が操舵するものもあるが、後輪が操舵するものが基本なので、運転には慣れが必要。最近はEV仕様も増えつつあるという

 作業現場などの荷物の上げ降ろしなどで活躍しているフォークリフト。フォークリフトもナンバーが取得できる小型特殊仕様に限って公道を走行することができる(荷役と呼ばれる荷物を動かす作業を公道で行うのは違法で、荷役をする際にはフォークリフト運転技能講習を受け、フォークリフトの運転資格を取らなければならない)。

 豊田自動織機のジェネオは積載量1トンから8トン、エンジンも2・2ℓと3・7ℓのガソリン、ディーゼルも1・8ℓ、2・5ℓ、3ℓという幅広いラインナップを揃える。

 さらにジェネオは業界から安全性や使いやすさにも深く配慮されたフォークリフトとして高い評価を受けており、現場で働く人たちに欠かせないパートナーとなっている。

  • 豊田自動織機ジェネオ
  • 価格=285万6000円~(小型特殊仕様)
  • 問・トヨタL&F

田畑作りの必需品! トラクター

ヤンマー独自のフロアフレーム防振構造を採用し、振動を大幅に低減。疲労も軽減されている
ヤンマー独自のフロアフレーム防振構造を採用し、振動を大幅に低減。疲労も軽減されている

 トラクターは田んぼや畑を耕すための農機だ。トラクターは多くの機種が小型特殊車の枠に収まっており、小型特殊の枠に収まっている機種を選んでナンバーを取得すれば公道を走行することができる(田植え機はナンバーを取得できる機種がほとんどないため、公道を走行することは難しい)。

 ヤンマーのGKシリーズは、数あるヤンマーのトラクターの中でも小規模兼業農家層をターゲットにした最もベーシックな機種だ。乗降性、メーターの視認性、操作性などに深く配慮し、女性や高齢者からも高い評価を集めている。オプションパーツも豊富に設定されており、幅広い用途に使える点も大きな魅力だ。

  • ヤンマーGKシリーズ
  • 価格=136万6200~184万6800円
  • 問・ヤンマー

収穫の時期にはフル回転 コンバイン

楽刈ボタンひとつで一連の操作がOK
楽刈ボタンひとつで一連の操作がOK

 コンバインは稲の刈取り、籾の脱穀や裁断に代表されるわらの処理を行う農機で、稲の収穫のほか大豆やそばの収穫にも必需品となっている。
コンバインもトラクターと同様に多くの機種が小型特殊車の枠に収まっており、小型特殊の枠に収まっている機種を選んでナンバーを取得すれば公道を走行することができる。

 クボタのコンバイン「ラクティー」は小規模個人農家向けに4月に発売されたニューモデルで、905㎜という広い刈り幅を持ち走行部のほぼ全面を刈り取る「2条全面楽刈」を実現したほか、機体レイアウトの変更により田畑の入口、四隅、あぜ際など今まで手刈りをしていた場所もコンバインで刈り取ることを可能とし、作業者の仕事量を大幅に軽減している。ふだん、意識することはほとんどないが、急速な農機の進歩は拍手モノだ。

操作ボタンは文字が大きく非常に見やすい。
操作ボタンは文字が大きく非常に見やすい。
  • クボタラクティー
  • 価格=151万2000~211万8600円
  • 問・クボタ

空以外ならどこでも行けちゃう? 水陸両用車

乗車定員は陸上6人、水上4人。エンジンをかけると「ドドド、ズババ」と力強い音が鳴り響く。操作系にペダルはなく、スロットルとブレーキのレバーを使うだけなので運転は簡単だ
乗車定員は陸上6人、水上4人。エンジンをかけると「ドドド、ズババ」と力強い音が鳴り響く。操作系にペダルはなく、スロットルとブレーキのレバーを使うだけなので運転は簡単だ

 ODG社(カナダ)のアーゴは水陸両用車という夢のようなカテゴリーに属する車両だ。水上で乗るには小型船舶扱いとなるため最低でも二級船舶免許が必要となるが、地上では小型特殊扱いとなるためナンバーを取得すれば公道も走行可能だ。

 アーゴはタイヤで動くのが標準状態であるが、タイヤをクローラー車のようにキャタピラに履き替えることもできるので、クローズされた雪道などを強烈なトラクションを生かしてガンガン走るという楽しみ方もできる。加えてスピードこそ遅いもののウインドシールドがないためスピード感は強烈なので、リスク少なく爽快な走りを味わえる点も大きな魅力だ。

  • ODGアーゴ8×8 750HDi 価格450万円
  • ※価格は為替などの事情により変更の可能性あり
  • I6輪仕様(250万円)などもラインナップ
  • 問・販売元=サポートマーケティングサービス

害虫をシャットアウト!農業界の守り神 農業用薬剤散布車

車体の3分の2近くを1000ℓのタンクが占める。快適装備はエアコンのほか、バックモニターや電動ミラーも装着される
車体の3分の2近くを1000ℓのタンクが占める。快適装備はエアコンのほか、バックモニターや電動ミラーも装着される

 農業用薬剤散布車は読んで字のごとく畑に農薬を散布する車両。農業用薬剤散布車も小型特殊扱いで、ナンバーが取得可能な機種なら公道の走行も可能だ。

 昭信スピードスプレヤーの3S─FSC1061は1000ℓの農薬が入るタンクを備え、切り替え機能付きの4WD、4WS、畑や悪路での高い走破性と乗用車感覚の乗り心地を実現するハイブリッドサスペンションを採用。エアコンも装備されるので快適に農薬散布ができるゾ。

  • 昭信スピードスプレヤー3S-FSC1061
  • 価格=820万8000円
  • 問・ショーシン

畑で頑張る軽トラの弟分  ホイールタイプ運搬車

屋根がつくキャビン付きも設定される
屋根がつくキャビン付きも設定される

 ホイールタイプ運搬車は主に軽トラでも入れないような畑で使われるトラックだ。ホイールタイプ運搬車も小型特殊扱いで、ナンバーが取得できる機種なら公道の走行も可能だ。

 筑水キャニコムのライガーはパートタイム4WDであるのに加えダンプカーでもあり、高い機動力を備える。さらにトレーラーのようにキャビンと荷台が独立して連結しているので、多少の凹凸路ならタイヤが浮き上がらないという強みも持つ運搬車だ。

悪路もヘッチャラのクルマ椅子 不整地用クルマ椅子

実際に乗ってみると、ちょっと怖さはあったものの、高さ10cmほどの角材を容易に乗り越えることができる。
実際に乗ってみると、ちょっと怖さはあったものの、高さ10cmほどの角材を容易に乗り越えることができる。

 アクショントラックは「ハンデキャップを持つ人の行動範囲を広げたい」という願いを込めて開発された、キャンプ場やスキー場のような足場が悪いところでも進むことができる電動クルマ椅子だ。電動車椅子なので免許は一切不要で誰もが乗ることができる。

 一回の充電での走行可能距離は12.8kmで、残量ゼロからフル充電に必要な時間は6時間。フットレストや3点式シートベルトも装備される。

 スタンダータイプなら直立状態での移動も可能となる点も大きな魅力で、これからの超高齢化社会を考えても普及を望みたい乗り物だ。

放心状態になるほどの充実感を味わえる 逆トライク

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