シンプルさが強調された3代目ボレロ
2010年7月にはマーチはフルモデルチェンジを実施して4代目が登場する。運転のしやすさや信頼性の高さ、使い勝手のよさといった特徴はそのままに、さらなる運転しやすさと楽しさに加え、26.0km/Lというクラストップレベルの低燃費を実現した。
この標準車をベースにカスタムされた3代目ボレロもモデルチェンジと同時にリリースされた。
エクステリアは、歴代のボレロと比べるとややおとなし目な印象だが、メッキ加飾をあしらったメッシュデザインのフロントグリルや、メッキのアウトサイドドアハンドルを採用することによってエレガントでおしゃれな雰囲気を演出している点は変わらない。
またこのモデルでは、ボディカラーと合わせられる専用のアルミホイールデカールをオプション設定するなど、ドレスアップをより楽しむためのアイテムが設定されていた。
3代目ボレロの専用装備は以下のとおりだ。フロントバンパー/フロントグリル/アルミホイール/エンブレム/専用シート地/モノトーンインテリア/本革巻3本スポークステアリング/メッキインナードアハンドル/専用フィニッシャー(オーディオまわり、シフトベース)/オゾンセーフフルオートエアコン/専用アルミホイールデカール(ディーラーオプション)。
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日産は車種数を絞り込み、国内はもちろんグローバルに魅力と競争力を発揮できるモデルにリソースを集中し、経営基盤を強化すると宣言した。
マーチの生産終了は、この戦略に従ったものだが、2022年の時点で販売が低迷していたのは事実で、販売台数を見ればひっそりと姿を消したのも納得できる。それでも、これまで40年間で約260万台という累計販売台数(国内)を記録し、ボレロも特別仕様車としてこの数字に貢献している。
可愛らしいスタイルや利便性、優れた経済性といったベース車の特徴を生かしながら、専用にデザインされたアイテムを加えることで高級感やクラシカルな雰囲気を演出したボレロは、昨今では選択肢が減っている“上質で個性的な小型車”を求めるニーズを満たすものであり、将来的には日産のBe-1やパオといったパイクカーのように特別な価値を持つクルマになる可能性も秘めている。
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