■内外装のいたるところにクラフトマンの技が光る
外観のモチーフは1955年に誕生した初代クラウンだ。フロントまわりは、ボリューム感のあるフードパネルや彫りの深い異型丸型ヘッドランプによって押し出し感を表現。
さらに初代クラウンのイメージを現代的に表現したラジエーターグリルと、丸型フォグランプを配したフロントバンパーの組み合わせによって個性を強調しながら、古きよき時代の柔和で量感のあるデザインが巧みに再現されている。
サイドは、初代クラウンの特徴である観音開きドアを採用しながら、現代的なテイストのサイドパネルや丸みをもたせたルーフパネルを組み合せることで、独特の躍動感をもたらしている。リアはクォーターピラーまでまわり込ませたバックウインドウガラスや縦長のリアコンビネーションランプを組み込んだテールフィンによってクラシカルな雰囲気が演出されている。
「小さな高級車」がコンセプトだったプログレをベースとしているが、ボディサイズは全長が4560mm、全幅1745mm、全高1455mmとプログレより大きい。しかし、ラージサイズセダンのような堂々とした佇まいではなく、あくまでも初代クラウンのイメージを尊重したものとなっている。
インテリアについても基本的にプログレをベースとしているが、内装に用いている素材や各部の作り込みは徹底的なこだわりが散見される。
なかでもシートは、伝統的な手法の縦パターンのデザインと玉縁を施した質感の高い意匠の本革を採用することで、高級感のある表地を実現。人間工学的な見地から最良の着座姿勢が保てるような形状や構造とすることで、高級サルーンにふさわしい心地よさが味わえる。
運転席まわりにも厳選した素材がふんだんに用いられており、インパネまわりに本木目を採用したことをはじめ、ステアリングやシフトレバーノブにも本木目と本革を採用。アイボリーで統一された内装色と相まって、ラグジュアリーで高品位なインテリアに仕上げられている。
メーターは文字盤面を発光させながら、指針自体も発光させた立体感のあるオプティトロンメーターや高級感を演出するアナログ時計の採用によって先進と伝統の融合が図られている。
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