■カープラザ20周年を記念して生まれた企画モノ
パジェロジュニア フライングパグは、当時カープラザ系販売会社にて展開していた「カープラザ20周年キャンペーン」の一環として発売されたのだが、1000台限定ということもあってパジェロというネーミングが冠されているにもかかわらず、その存在は広く知られていない。
「Flying Pug(フライングパグ)=空飛ぶ小犬」という名前の由来もさることながら、車両コンセプトそのものにどういった狙いがあったのかは定かではないが、さまざまなオリジナルアイテムを装備することで、細部にいたるまでクラシカルな雰囲気にドレスアップされていた。
たとえば、専用デザインされたフロントグリル、張り出しを強調したフロント&リアドリームフェンダー、サイドステップ、フロントフード、ドアガーニッシュ、丸目ヘッドランプといったアイテムなどが採用されたクラシカルな装いは、パジェロらしいワイルドさを微塵も感じさせない。
車内はブラックを基調に木目調インストルメントパネル、プロテインレザーシートといったアイテムを採用することで、外装と同様にクラシカルなイメージで仕上げられていた一方で、基本的なデザインはベース車を踏襲していたこともあって、全体のバランスという点ではチグハグな印象は拭えず、自動車メーカーが手掛けたカスタムモデルにしては完成度の低さは否めなかった。
しかし、カープラザ20周年を記念した“企画モノ”という点では話題性があったし、このクルマのためにあつらえたアイテムも特別感を与えるものであったのは事実。それでいて5速MTが175万円(3速ATは185万円)という価格は割安と感じさせるもので、限定で用意された1000台は完売したという。
コメント
コメントの使い方素晴らしい挑戦ですよねこれ。割高さとかデザインの喧嘩具合とかは当然で、でもそれ分かっていながら遊び心のまま具現化させたのは偉業。
三菱は今も定期的に新コンセプトを海外メディアへ発信し続けてますが、実現はゼロ。反響大きいなら市販まで突き進む思い切りこそ三菱を救う手段なのかも