これまで日本にはたくさんのクルマが生まれては消えていった。そのなかには、「珍車」などと呼ばれ、現代でも面白おかしく語られているモデルもある。しかし、それらのクルマが試金石となったことで、数々の名車が生まれたと言っても過言ではない。
当連載では、これら「珍車」と呼ばれた伝説のクルマや技術などをピックアップし、その特徴を解説しつつ、日本の自動車文化を豊かにしてくれたことへの感謝と「愛」を語っていく。今回は、 異例の特別限定車として誕生したパジェロジュニア フライングパグを取り上げる。
文/フォッケウルフ、写真/三菱
■パジェロの派生車のなかでもっとも個性的
1982年の登場以来、三菱の“ドル箱”モデルとして国内のRVブームを牽引してきたパジェロにはさまざまな派生車が存在した。
数ある派生車のなかでも、パジェロのイメージを軽自動車サイズに落とし込んだ「パジェロミニ」。パジェロミニをベースに全幅やトレッドを拡大し、現代的に言うならコンパクトSUVに属する「パジェロジュニア」。そして、パジェロジュニアの後継車種として登場した「パジェロイオ」。
これらパジェロのスモールバージョン群は、小型で軽量なボディを生かして実現した取りまわしのよさや低燃費がウケて本家とともにパジェロシリーズの人気を確たるものとしていた。
今回クローズアップする「パジェロジュニア フライングパグ」は、“パジェロの息子”と称され、小型クロカンとして人気を博したパジェロジュニアをベースにしたカスタムモデルで、1997年9月に発売された。
ベース車であるパジェロジュニアは、基本的なシャシーコンポーネンツはパジェロミニと共用。ルックスはパジェロミニと同様としていたが、ボディサイズは前後パンパー、幅広のオーバーフェンダーの装着によって大型化され、本家パジェロに通じるワイルドで伸びやかな雰囲気を漂わせていた。
コメント
コメントの使い方素晴らしい挑戦ですよねこれ。割高さとかデザインの喧嘩具合とかは当然で、でもそれ分かっていながら遊び心のまま具現化させたのは偉業。
三菱は今も定期的に新コンセプトを海外メディアへ発信し続けてますが、実現はゼロ。反響大きいなら市販まで突き進む思い切りこそ三菱を救う手段なのかも