いつかキャンピングカーを自作して自由に旅したいという野望を持っていた住宅リフォームを生業とする男性がついにベース車のフィアットデュカトを手に入れ、内装を中心に自作でキャンピングカーに仕立てていく企画。第2回はソーラーパネルの設置や電装系などの組み込み作業を紹介していこう!
こちらの車両は、ソーラーパネルやリチウムイオンバッテリーはレノジージャパンより提供を受けて製作しております。
文&写真/高根英幸、取材協力/レノジージャパン
■電装系はほぼ完成、オール電化を再生可能エネで実現!
前回までで内装の下地が出来上がり、シャワールームの外枠も作ったフィアットデュカト。ここまでできると、次は壁内や床下を通る配管や配線を仕込むことになる。温水と冷水、排水の配管と、発電と充電、出力を制御するコントローラーのための配線を組み込むのだ。
そして重要なのがソーラーパネルの設置。フィアットデュカトの広いルーフのほとんどにソーラーパネルを敷き詰めて、晴れた日にはたくさん発電してもらい、エアコンで冷暖房、調理はIHのオール電化なキャンパーにしようというのである。以下は製作者である筆者の弟の発言から代筆したものだ。
ソーラーパネルは200Wのパネルを4枚、スーリーのベースキャリアの上に固定して日中発電することで電力を蓄えて供給する。ベースキャリアとソーラーパネルの固定をどうしようかと悩んだけど、結局アルミのアングルを間に介して、アングルにキャリアとパネルを固定することにした。
レノジージャパンのソーラーパネルは、折りたたみタイプやフレキシブルタイプもあるが、比較的フラットなルーフで面積が大きく取れるので、今回はフラットでしっかりした枠付きタイプを採用。デュカトのルーフには、ルーフエアコンと組み合わせても、200Wのパネルを4枚ちょうど上手く収まった。
そこで発電した電力はソーラーチャージャーを介して、車載の電装用バッテリーとは別のサブバッテリーシステムに蓄えて使用する。
走行中はエンジンに取り付けられているオルタネータが発電する電力を、車載のバッテリーを介して余剰分をサブバッテリーへと充電。曇りや雨、夜間でも走行したり、エンジンをかければサブバッテリーも充電されるのだ。
レノジージャパンのバッテリーは、安全性の高いリン酸鉄リチウムイオンバッテリーだから採用した。
単一セルあたりのエネルギー密度や電圧は、三元系のリチウムイオンバッテリーと比べ少しだけ低いものの、その分容量を稼げばカバーできる。コストも安いことで最近注目のバッテリーだ。
ソーラーパネルで発電した電力をサブバッテリーに充電するのは、RENOGY MPPT チャージコントローラー60A ROVER LIシリーズ(3万8800円)。
RENOGY 正弦波インバーター2000W(7万8000円)を2台使って、車内に交流100Vを供給。これだけあれば冷蔵庫を冷やしながら電子レンジとIHを同時に稼働できるハズ。
バッテリー5個を並列に繋ぎたいから、配線では容量が足りなくなるのでバスバーを使ってバッテリー全体の電力を一体化。
バスバーは断面積で扱える電力が決まるから、ちゃんと計算して材料の銅の平板を購入した。このあたりはSNSのフォロワーさんからもアドバイスをもらって、凄い助かった。
銅板を購入して切断し、穴あけとネジ切りをして作ったバスバー。同じものを3本作り、マイナス側はシャントを挟んでバッテリーモニターを接続するようにした。
上が今回製作した電気系の回路図。ソーラーチャージャーと走行充電、サブバッテリー、インバーター、エアコンなど。なおバスバーサイズは8×40に変更、バッテリーとバスバー間は各100Aヒューズを入れた。
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