■上級セダン並みの力強さと静粛性
搭載されるエンジンは3.5L V6のVTEC。当時も今もV6エンジンを搭載するミニバンなどそうそう存在するもんじゃない。しかしこれが2tの巨大なボディを力強く押し出してくれる。組み合わされるのは、デビュー時は4速ATだったが、2001年のマイナーチェンジで5速ATへ変更(同時にエンジン出力も向上されている)。低回転域から常用域までトルクフルかつスムーズにギアをつないだ。
見るからに低重心であり、ワイドトレッドや高剛性ボディの恩恵もあって、走りは安定感があって心地よい。振動や走行音も極力抑えられ、当時のミニバンにしては静粛性が高く、ラグジュアリーカーらしい走行感覚を備えていた。
1999年の日本導入後、2001年には1回目のマイナーチェンジ。ここで先述のとおり、ATを5速化し、エンジン出力を向上。さらに装備の充実化を果たしている。さらに2003年には2度目のマイナーチェンジで、イモビライザーを装備し、盗難防止性を高めた。
同時期、日本のミニバン市場では、1997年にエルグランドが、2002年にはアルファードが登場し、市場を席巻していくことになる。北米では人気の高かったラグレイトだったが、日本の道路状況を考えると、やはり大き過ぎるボディサイズが災いし、販売台数は少量にとどまり、2005年いっぱいで販売終了となってしまう。
もしこのラグレイトが販売継続されていたとして(当然モデルチェンジして進化を続けながら)、現在のアルファードやヴェルファイアに対抗しうる存在になったかどうかは、なんともいえない。しかし、国内最大級サイズのミニバンとして、あるいは北米産の輸入モデルとして、ひとつの頂点に立っていたことは間違いない。
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